『Fate/Samurai Remnant(サムライレムナント)』をクリアしました。
本作は序盤こそ重さがありますが、中盤以降はシナリオもアクションもかなり面白くなっていくゲームでした。
特に印象に残ったのは、剣鬼ルートで見えてくる宮本伊織の本質です。
1周目では穏やかにも見えた伊織が、実はそうではなかったと分かった瞬間、この作品の見え方がかなり変わりました。
この記事では、サムレムのアクションやシナリオ、剣鬼ルートを中心に、実際にプレイした感想をまとめています。
ネタバレを含むため、苦手な方はご注意ください。
サムライレムナント総評。序盤は重いが、中盤以降はかなり良かった
「型月 × コエテク」より生み出される「Fate × 無双」の最新作たる『Fate/Samurai Remnant』。今回はFateシリーズ自体の新作でもあり、個人的にちょっとだけ期待していた作品。
クリアした感想としては、中盤を過ぎるとシナリオ、アクション共に面白くなっていき、終盤にて盛り上がりのピークを迎え、余韻もそこそこにサッと幕を引くエピローグで〆、という案外素直なゲームだった印象。
人物や細かい設定等はしっかり型月クオリティ。
そんな雰囲気から生み出されるThe・王道な展開も「らしさ」全開で良かったし、2週目に解放されるルートも良い意味で「らしさ」の塊でとても面白かった。個人的にはこのルートが1番好き。
ということで、前書きもこの辺までにして以下より詳しい感想を書いていく。ネタバレありなので苦手な方はブラウザバック推奨です。

シナリオ感想。剣鬼ルートで見える伊織の本質が良かった
面白かった。設定の説明やキャラ紹介が大体3章くらいまで続き、4章で分岐する感じ。2週目は聖杯の処遇で分岐。
良かった点は沢山あったが、個人的にはやはり宮本伊織という男の本質が明かされる剣鬼ルートが最も印象に残っている。
分岐前ルートも前振りとして良かった
前2ルートはセイバー陣営以外の結末が描かれていて、どちらもスッキリ終わったが、肝心の伊織とタケルの願いが不透明なまま聖杯は破壊される。
どちらも面白かったし、鄭が闇堕ちしたり、まさかのチエモンがラスボス化したりと、中々スパイスが効いたシナリオで、ダレることなく最後まで楽しめた。
特にランサーが、リリィやオルタでは無く普通にそのまんまジャンヌだったのには驚いた。ただチエモンに影響されて黒くなっただけっていう。

剣鬼ルートで伊織のエゴが前面に出る
剣鬼ルートだが、思ってたより伊織のエゴが前面に出るシナリオだった。
staynightのHFルートと聞いていたが、どっちかっていうと士郎より言峰寄り。ギルに気に入られていたのはそういう……
あちらは人々の幸福に対して苦痛を感じる異常者に対し、こちらは平穏な日常に対して苦痛を感じる異常者。
戦えない事が何よりも辛く、強者との戦いを喜びとするヤベーやつ。「常在戦場」をめちゃくちゃ曲解するとこんな感じになるのだろうか。
そんでもって、作中を通して徐々に自分の異常性に対して開き直っていく流れ。自らの五輪を「余分」とし、徐々に本心を隠さなくなっていく。
日常では、周りの人間から人間性を誤解されて何とかなっている感じ。そもそも、あの武蔵がマトモな人物を弟子にとるはずも無く。
そして聖杯を残す理由が、せいぜい「平和も大事だけど、戦いたいからしゃーなし聖杯を残して奪い合いを続けたい」くらいのモンだと思っていたら、
「俺の為に、強者を呼び寄せるエサとして災いのタネたる聖杯を残す。平和なんぞ知らん。」
というエゴ全開の理由である。素晴らしい。
これを踏まえると、武蔵の言う「生まれる時代を間違えた」も180度意味が変わってくる。
てっきり「戦の世の中にも関わらず優しすぎる性格で生まれてしまった」という意味だと思っていたが、「平和の世の中にも関わらず剣の鬼として生まれてしまった」だったという。
これは見事に騙されてまった。やはりミスリードが判明した時の快感は独特のものがある。マジか!と思う反面、心の中ではニッコリ。満足。


また、シナリオ中の各キャラの伊織に対する発言や、本人の発言にも捉え方が変わってくる。
落ち込むように見えたのは江戸市民が死ぬからではなく戦いが終わってしまうからだし、相手を理解するのも斬り捨てる過程の一部である。
しかしこのエゴがなくては、そもそも聖杯にたどり着く力が得られないのも事実だったりする。
そして、この特大のエゴを捨てられるのも伊織という男の側面であり、"聖杯を壊さないルート"も、まぎれもない彼の一部分である。
そう考えると分岐前ルートもしっかり"味"が濃いシナリオに思えてくる。結局は周囲の環境次第でどうとでも染まる逸材、ということだろう。
総じて、型月主人公らしくしっかりイカれてる良いキャラだと思う。
それを巧妙に隠す1週目と、適度にネタばらしをする2週目、そして本質をブチ撒けるラスト、としっかり盛り上がって中盤以降は終始面白かった。満足。

アクション感想。中盤以降はどんどん面白くなった
序盤の操作感はかなり重い
無双ゲーということで、多くの人は「かっこいいアクション」や「バッタバッタと薙ぎ倒す爽快感」を想像すると思う。筆者もそうだった。
しかし結論から言うと、中盤くらいまでそんなものは無い。人によって感じ方は違うと思うんだけども。
基本操作は主人公たる宮本伊織で、サーヴァント操作はゲージを貯めて一定時間操作できるという、ある種の時限強化のような扱いだった。
確かにコッチの方がサーヴァントの強さをより実感できるし、伊織が強くなっていくのも肌感覚で分かるためゲームへの没入感は上がると思う。
剣鬼ルートの展開も踏まえると、こういうシステムにした方が序盤と終盤の落差をより感じられて良い、という判断も分からなくもない。

ただこの仕様のシワ寄せが来ているのが、よりにもよって序盤なのだ。
当たり前だけど、序盤のシナリオって大抵どのゲームでも説明が多めになりがちなのでちょっと退屈。
そこをアクションの新鮮さや爽快感で中和し、アクションに飽きてくる中盤以降をシナリオの面白さで引っ張る、というアプローチが普通だと思う。
ただ本作では上記の仕様と、過去作やってたら既にある程度知っている「聖杯戦争の説明」がメインで展開されるシナリオ、そして今回はあまり触れないがSwitchクオリティのグラフィックやモーションの三体が悪魔合体し、プレイ欲をガンガン削いでくる。
正直序盤が1番キツかった。

火の型や空の型を覚えてから一気に良くなる
反面、序盤を抜けると尻上がりに面白くなってくる。伊織が「火の型」や「空の型」を覚えたあたりから爽快感が増して、素直に面白かった。
特に空の型。初めて使った時は「いやアナタもうこれサーヴァントじゃないすか……」ってくらい火力や巻き込み範囲が上がっていて感動した。なんなら1周目終盤~2週目からはサーヴァントより伊織の方が使いやすかったまである
モーションも武蔵のソレと同じでちょっとエモい。斬撃飛ばしたりビーム撃ったり割とやりたい放題。

また奥義も、ホントに燕返しが使えるようになって笑ってしまった。これやったら最強じゃね?を実現させてしまう伊織さん流石っす。
演出も丁度いい長さだし、威力も申し分なくてマジで最高。武蔵タイマンの決め手になったのもエモい。
総じて、中盤以降はどんどん面白くなっていった。
特にシナリオ上の伊織の強さとアクション面の強さがリンクしていたのが個人的にツボ。伊織さん、最初の方に雑魚とか言っちゃってホントすいませんでした……
ただボス戦では、仕様上「待ち」主体になるのは、アクションゲーとしてもうちょい爽快感が欲しかったと思う。強靭が高すぎる。

サーヴァント操作の比重はちょうどいい
他サーヴァントの操作も爽快感があって良かった。ただやはり伊織やタケル程のアクション自由度は無いため、今回のようなサブクエとお助けでチョロっと使うくらいの塩梅でちょうど良かったと思う。
ギルガメッシュも折角なら使ってみたかったが、ヤツは今回マジで何もしてないせいか、そもそもプレイアブルが存在しなかったので叶わぬ夢となってしまった。まあ敢えて戦うような敵も居なかったし仕方ないか。
宝具演出はかなり良かった
宝具演出も現代らしくド派手。演出スキップが無いのは少しモヤる。
実は武蔵ちゃんの宝具が完成しなかったり、タケルの宝具でもう正体がバレバレだったりと、ニヤリポイント満載。
今回の聖杯戦争は宝具EXが数体居たので、ガチバトルが勃発していたら江戸崩壊してたんじゃなかろうか。地味にバケモン揃い。


おわりに
PVで抱いた印象より大分面白くて満足でした。
伊織が終始良いキャラしていて、序盤さえ乗り切れば、あとはドライブ感で最後まで遊べるタイトルかなと。
セール中とかなら結構オススメできます。シナリオはちゃんと面白かった為、ファンなら遊んでみても問題ないかなと。
とはいえシナリオ以外の部分は微妙な出来なので、Fate好き以外に勧められるかと言われると逆に正直かなり怪しい。
あと今回は特に触れていませんが、キャスターの稗田阿礼の宝具がだいぶイカれた性能だったので、未見の方は是非とも調べるなりして見てみて欲しいです。盛りすぎね。
わーわー騒ぎましたが僕からは以上です。読んで頂きありがとうございました。
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