『ポケットモンスター オメガルビー』を殿堂入りまで遊んできました。
結論から言うと、個人的に理想のリメイクでした。
僕の中ではいつまで経っても「ポケモン=旅」。近年のスポーティなポケモンも面白いけれど、今回はとにかく“旅”がしたかった。
その視点で選んだのが『オメガルビー』でした。
本作はリメイクといっても、単に補完するだけでなく、元作に残っていた昔のRPGらしい薄さや余白を、現代風の濃いキャラ付けや設定付けで立て直してきた。そこがかなり好みでした。
というわけで今回は、ポケモンORASを実際にプレイして感じたことを率直に書いていきます。どうぞ気軽にお付き合いください。
ハルカというキャラ|ORASで強化された魅力
ハルカ(ユウキ)は、元作の『ルビー』では総じて出番が少なかったライバル枠にも関わらず、例のイベントの印象が強烈すぎて、「本作で最も印象に残ったトレーナーは?」と聞かれると、真っ先に「ライバル」と答えてしまうような、ちょっと変なキャラクターだったと思う。

そんな「大切に育てた僕のヌマクローをリーフブレードで無惨に切り刻んでくるヤベー女」が、リメイクでは「新しい街に到着するたびに声をかけてくれたり、所々意味深なデレセリフを口走っちゃったりする、『こ、こいつ…オレのこと好きなんちゃうん…?』と10代前半の男子を勘違いさせてしまう要素満載のヤベー女」に様変わりしていた。かわいい。
ここに関しては、男主人公でプレイしていて本当に良かったと思う。これが逆だったらまた違うゲーム体験になっていた。色んな意味で。
ちなみに例の「橋の下」は、がくしゅうそうちが手持ち全員に適用される仕様によって、元作と比べると圧倒的にラクなイベントになっていた。
というかレベルが上がりやすくなったのか、ワザ分類が細分化された影響なのか分からないが、普通に御三家同士でぶつかり合っても問題なく破壊できたので、逆になんかちょっと物足りなさを感じたまである。この辺は後述します。

目覚めの祠での会話イベントや、殿堂入り後のバトルイベント、果てはデートイベントまで用意されていたりと、元作とは別人レベルで肉付けされていて、僕的には非常に満足度が高い改変だった。共闘イベントとかもっと欲しかったまである。
元作の印象を良い意味で壊し、アニメ版のハルカとはまた違った存在感を発揮してくれている。総じて良いキャラ変だったと思う。
元と少し違う印象を受けるくらい踏み込んだ改変ではあるが、僕にとってはその踏み込み方がかなり理想的だった。
ハルカの改変が良かったのは、単に可愛くなったからではなく、元作で印象だけが先に立っていたキャラを、今回はちゃんと感情が乗る存在として前に出してくれたからだと思う。
だから僕には、この踏み込み方が「別人化」ではなく「余白の再解釈」として受け取れた。
ホウエン地方の解像度が上がる
ゲームボーイアドバンス→3DSなので、やはりグラフィック表現については全然違う。

風景もそうだし、各ボスの雰囲気も、以前は大部分を想像上で補っていたのが、しっかりイラストで表現されている。
特にテッセンは、以前は「ガチの偏屈ジジイ」なイメージだったのが今回で180°印象が変わった。普通に元気ジジイだった。
ラティオスの「おおぞらをとぶ」はとても爽快だったし、「ダイビング」でここまで広大な海底に潜れるのもホウエンだけの特権。他の地方に比べたらマップの自由度は明らかに高いと思う。
やはり一本道をなぞるというより、空や海を含めてホウエン全体を巡っている感覚が強いのが、この地方の良さである。
町から町へ進むというより、空も海も海底もまとめて地方そのものを横断している感じがあるから、僕の中では特に「旅した感」が濃い。
120番道路の夜景は凄くキレイだったし、「流星の滝」は相変わらず荘厳な雰囲気で探索も捗るし、海底のゆったり感もGood。
やはり探索といえばホウエン地方で、その大自然を進化したグラフィックで表現するという点だけでもリメイクした価値は大いにあるハズ。
非常に解像度が高まったという意味で理想的なリメイクだと思う。

ただ、より3次元的に表現できるようになった弊害で、想像力を働かせなくても良い分、なんとなく「スケール感の小ささ」みたいな見え方が同時に生まれてしまった感もある。
"行動可能エリアは狭いけど、世界自体は広い"という表現だったら更に良かったなと思う。些細なことですが。
と、少し気になる部分はあったものの、この地方を今の感覚で歩けるだけで十分価値があると思いました。
マグマ団について
元作では、「グラードンを利用してなんやかんやしよう!」みたいなフワッとした組織で、幼心に「コイツら一体何だったんだ…」と感じていた。
なんというか「敵役であるための敵」という感じで、背景とかそんなんどーでもいいじゃん!みたいな。

それが今回は「人間種の繁栄のためにグラードンを利用し陸地を増やす!」と、分かりやすく動機が設定されており、言うまでもなくコッチの方が好みだった。
それによって下っ端のチンピラ感がどうしても設定的に浮いてしまったり、なんだか宗教団体みたいな感じになっちゃったり、ガキ1人に邪魔される計画って何?!とか思っちゃったりと、まあ色々と思うことはあるのだけど、いち組織として分かりやすくなったのは良いことだと思う。
目的が変わったことにより、主人公vsマグマ団という図式も「目の前に障害があるから潰す」から「考え方の相違による衝突」という図式になり、その結果ホウエンを揺るがす事件に発展しても、(犯罪行為は許されないにしても)ある種の納得感というか、第三者目線だと許せる気持ちになる。
だからこそ事件収束後のマグマ団の身の振り方には成長を感じられるし、とても"今風"な着地だなと思う。ここら辺は凄く時代の流れを感じる部分であり、「オレ、老けたな…」と悲しくなるポイントでもある。

ただまあ、マグマ団のカガリちゃん。あいつはマジで何だったんだ…。
コッテコテの電波キャラで「ゲーフリさん、このキャラは色々と大丈夫なんでしょうか……」と終始心配だったが、見事に振り切っていて、なんかもうこれはこれでいいのかな……と思ってしまったよね。
総じて良い改変なのではなかろうか。こういう改変の上手さも、ORASを理想寄りのリメイクだと思えた理由のひとつ。でもハルカイベントが極小だったのだけは許せない
単なる後付けではなく、元作で曖昧だった衝突の意味まで補強してくれたのが効いていて、ちゃんと物語の中で意味のある組織へ立て直していた。
元作のマグマ団は“敵だから止める”で進んでいたところを、“考え方が違うからぶつかる”に近づいている。この差は、物語としてかなり大きい。
微妙だった点
基本傑作だと思っているこの『オメガルビー』だが、僕的にはどーしても気になる点が2つ。
ひとつはバトルの難易度。これが1番気になったポイント。
というのも、
前述した「がくしゅうそうち」の仕様変更と、ゲーム全体の敵ポケモンのレベルが低いこと、そして敵トレーナーの手持ちが基本2,3体くらいの少なめであること。
これら全てが悪魔合体し、異常なまでの「簡単さ」が生み出されている、というかこれはもう「ヌルさ」と言いってしまってもいいレベル。
これは別にポケモンに高難易度を求めてるワケではない。難しいモノを求めるなら他ゲーをやる。でも、ほぼ御三家オンリーの使用で問題なく進めてしまう難易度はいかがなモノかと思うワケだ。
今回アチャモを選んだが、どんなタイプのポケモンを出されようが、相性関係なくレベルのゴリ押しで進められてしまうのは流石にちょっと味気ないなと。メガシンカを覚えてからはもう凄かった。
なお御三家オンリーの使用でも「がくしゅうそうち」によって控えもレベルが上がり、一切使用していないにも関わらず敵トレーナーのポケモンよりも強くなっている。
低難易度すぎてモヤるというのは初めての経験だった。貴重。
バトルが軽すぎると、せっかくの旅にも緊張感が乗りにくい。
旅の途中で手持ちをどう整えるか考える時間が短いと、地方を攻略している感覚より、ただ通過している感覚の方が強くなる。そこが惜しかった。
これは単純に敵トレーナーを強くするだけで解決する問題ではある。実際、この点は『ポケモンSV』の方が手応えがあった。
そんでもって2つ目。ヒガナというキャラについて。
詳細は省くが、このキャラは居ない方がストーリーとして纏まったのでは?と思ってしまうキャラクターだった。
このキャラに関してはあまりに自己矛盾し過ぎていて流石に頭を抱えた。

ヒガナが中心になって「エピソードデルタ」が回っていたのだけど、ヒガナを削除して"主人公&ダイゴ(&ハルカ)でレックウザを調べる"的なストーリーの方が面白かったんじゃないかと思う。
流星の民はヒガナちゃんただ1人!みたいな設定だったらともかく、仙人みたいなおばあちゃんが居る時点でもう要らない子な気が……
本編のリメイク部分がかなり好みだっただけに、ここだけ少しノイズに見えてしまった。
リメイクの方向性としては好みだが、ハルカやマグマ団改変の納得感と比べると、こちらはシナリオ上での異物感をどうしても感じてしまう。
「ヒガナが嫌」というより、ORAS本編の改変の上手さと同じ種類の踏み込みには見えなかった、というのが一番近い。
ハルカやマグマ団の改変は、元作にあった余白を濃くする方向だから納得できた。
でもヒガナだけは、その余白の上に自然に乗るというより、別の強い要素を横から差し込まれた感じがしてしまう。
終わりに
大満足なリメイクでした。
僕はそもそもリメイクは元作から肉付けされている程イイ!という価値観なので、本作のようなリメイクは大歓迎。
それでいて、ただの"引き延ばし"のような肉付けも全く無く、僕好みの改変が多かったです。
いくつかの欠点込みでも、「こういう方向のリメイクが好きなんだよな」と素直に思える作品でした。
元作と少し違う印象を受ける改変ではあるが、その踏み込み方が僕にとっては理想的でした。
わーわー騒ぎましたが僕からは以上です。読んで頂きありがとうございました。
