今期絶賛放映中の『負けイン』だが、タイトルで気になってはいたものの、アニメ自体を観る時間が最近あまり作れず、またも「opは知ってるけど内容を知らない」アニメが増えてしまうのか…と歯がゆく思っていた。
しかしどうやら漫画版もあるらしく、そちらの方が手軽かなと思い、早速読んできました。
率直な感想として、ラノベのコミカライズにしては誠実に描かれているのだろうな、と。
というのも、ラノベのコミカライズって僕的にあまり良い印象が無くて。それは、原作の魅力が過度に省略されて本筋だけ描いた作品になっていたり、シンプルに見せ方が下手だったり、と、好きでない理由を挙げればまあ色々ある。
しかしこの『負けイン』のコミカライズに関しては、恐らく原作の空気感がそのまんま描かれているのだろうな、という安心感がある。原作1巻をコミカライズ3巻使って描く方針からもそれが見て取れるし、これを機に原作を読みたくなってくる相乗効果も産んでいる。これは良いコミカライズなのではなかろうか。
というのが漫画版そのものに対する感想。肝心のお話の感想については下記より詳しく書いていく。どうぞ気軽にお付き合いください。
かんそう
個人的に、本作で最も推せるキャラは間違いなく我らが主人公の温水君である。
まあ色々な推しポイントがあるのだけど、やはり1番はその聖人ぶりにある。
高校1年生の1学期にして、急にほぼ他人同然のクラスメイト女子に主観マシマシの失恋話を散々聞かされた挙句、ファミレスにてヤケ食いされた分の代金約3600円という高校生にしてはそれなりの大金をを立て替えさせられ、後日"自分から"声をかけて金を返してもらおうとしたら「毎日手作り弁当を作ってきてあげるから、それで手打ちにして♡」と言われるも、初日に出てきた飯がコンビニのサンドイッチでもイライラしないそのメンタリティ、賞賛に値する。僕なら「自分から〜〜」の辺りでカチキレてる。異論は認めん。
いち人間として見習うべきメンタリティだと思うし、この一連の流れで僕は温水君が大好きになった。なんならクラスメイト女子もといヒロインの八奈見さんの話より、彼のバックボーンの方が気になったまである。
その後、なんやかんやあってその八奈見さんとは(描写されてる中では)初めての"友達"になるのだけど、さ〜〜〜〜すがにやめといた方が良いんじゃない???という心の声が止まなかった。君ならもっと良い友人が沢山できるよ!って…。
しかし温水君にとっては、それでも数少ない「繋がり」なのだろうとも思う。

『NARUTO』でも散々描写されている通り、やはり孤独とは辛いものである。 コロナ禍の外出規制で僕も経験したが、いくら当人が慣れていようとも、意識下か無意識下かに関わらず、人と関わらないのはそれなりのストレスになり得る。
繋がることで増えるストレスもある。だけどそれは「孤独」に比べたらやはり些細なものなのだ。当然、温水君はナルト程の孤独を抱えているワケではないが、(少なくとも)高校数ヶ月ぶりの「繋がり」は、彼にとっては大切なモノだったのだろう。
……と、やや強引な想像でもしないと、中盤の「昼食会が無くなって喪失感を覚える」温水君の心の動きにど〜しても違和感を覚えてしまう。このあたりは原作でより詳細に描かれているのだろうか。漫画版だとかなり唐突に見えてしまったため、正直困惑してしまった。僕の八奈見さんへの好感度が低いぶん尚更。
彼の推しポイントはこれだけでは無い。「自称:水道水ソムリエ」とかいうナチュラルにイカれてる部分や、人のために熱くなれるそのメンタリティ、イイ感じに無気力で可愛い、などなど。
特に「イイ感じに無気力」なのは、僕にも非常に共感できる性格であり、読んでいて特に違和感がないどころか「趣味以外に対する無気力さ」の解像度が異様に高く、原作者の方これ絶対その性格の人じゃん!となった。おかげでとっても読みやすくて助かる。
そんな無気力可愛い系男子な彼が、終盤で人との繋がりに「らしくなく」悩み、執着する。その有り様に僕は"萌え"を感じたよねって話。可愛い。
これは僕の今後の予想、というよりも願望に近いが、本作はテンプレハーレムものとは違い、逆に温水君が負けヒロイン達の誰か1人に対してアタックする感じのお話の方が面白いと思うし、どうかそうなっていて欲しい。
というか『負けヒロインが〜』というタイトルなのに、更にその負けヒロインを負けさせるって中々の所業ですよ。『100カノ』みたく、逆に全てを囲い込むスタイルでも構わないけれど、やはり1人に絞った方がより面白い。このあたりは原作を追って確かめたい。
また、恐らくヒロインであろう八奈見さんだが、上述した最悪のファーストインプレッションを経て、最後には「まあ、推せなくもない…かな?」くらいにはなった。
主題的に、やはり負けヒロインであるからには相応の「負けた理由」が必要であって、それが八奈見さんには「厚かましい・やや無神経」というのが理由として設定されており、それに由来して僕がモヤったポイントのような描写をされているのだろう。
実際にそういう描写をされた後は温水君による独白にて「コイツまーじで……」みたいな補完がされている為、上述した部分はそれなりに意図されたモヤモヤなのは理解できた。
これを把握してからはある程度感情移入も出来なくはなかったし、シンプルに「辛いだろうな…」という感想も生まれてきたのはある意味新しい体験だった。男で置き換えると要はBSSされたワケで、言うならばソフト寝取られである。そりゃ辛ェでしょ。
なので、物語が進むにつれて「どれだけ幼馴染のことを想っているか」が同じような描写を何度も描かれるがそこに不快感は無かったし、だからこそ終盤に迎える結末にカタルシスを感じ、熱くなれることが出来た。
ぶっちゃけ八奈見さんの物語はほぼ完了したので、これ以上何やるの?感はあるが、まあそこはメインヒロインらしく主人公に攻略されて、そこの関連で話が進んでいくのだろうと予想。終盤で見せた人間的成長も含め、これからが楽しみなキャラである。温水君ほどでは無いが。
他にも属性別に女の子キャラは数人居て、どれも個性が立っているのが大変よろしい。
僕のイチオシは焼塩さん。元気っ娘の曇り顔からしか得られない栄養素があるからだ。彼女の話は恐らく原作2巻の話だと思われるので、ひとまずそこまでは追っていきたい。この栄養素ナシに生きられない身体になってしまった。これが現代社会の闇というヤツである。
終わりに
素直に面白かったです。
僕が社会人というのもあり、途中にいくつか恥ずかしくなっちゃうシーンがあって読み飛ばしたりもしましたが、概ねちゃんと面白かったです。
ある程度の区切りまでは追いかけてみようと思いますが、漫画版の更新はかなり遅くなりそうなので、必然的に原作ラノベを追うカタチになるのかなと。クオリティが高いコミカライズの宿命ですかね。
アニメでは、この1~3巻の内容を約4話で終わらせているらしく「それって物理的に可能なのか?!」と驚いていますが、多分恐らくメイビー、かな〜り端折っているんでしょう。とすると原作→アニメよりはアニメ→原作の方が精神衛生上良い気がしてきましたがどうだろうか……。
わーわー騒ぎましたが僕からは以上です。読んで頂きありがとうございました。
以後の展開も面白かったらまた感想書きます。
