『ペルソナ3 リロード(P3R) エピソードアイギス』をクリアしました。
率直な感想として、SEESメンバーの「成長痛」が見られて、シナリオ面はとても満足できました。
ただ、想定以上にタルタロスパートが長く、DLC全体の総評としては微妙寄り、という感じ。
以下より、ネタバレありで詳しい感想を書いていきます。

シナリオ感想:SEESメンバーの成長痛に満足
DLCを開始した最初の印象として、とにかく暗い。世界を救った直後とは思えないほどのダウナーな雰囲気。
『P3』本編は「死」がテーマだったが、メッセージとしては「死があるから生きられる」に近いものを感じていた。
つまり、どちらかといえば「生きる」にフォーカスされた内容であり、だからこそ、どこか爽やかなあのエンディングに繋がったのだろう。
しかしそれはプレイヤー・キタロー視点での話。
置いていかれた者たちにとっては、ただ「自分たちは生かされたのだから、せめて前向きに生きよう」というフワッとした想いだけが宙ぶらりんになっている状態。
追加シナリオの内容は、『P3』本編で乗り越えたハズの悩みなのでは?とも思った。
だが、再び同じ内容を繰り返すくらい、メンバーにとってキタローはデカい存在だった、ということで納得できた。
ある意味で、思春期の悩みを凝縮したストーリーというか、「大人」になるための通過儀礼のような、そんなシナリオとも捉えられるかもしれない。
中盤~終盤にかけて、それぞれに譲れない想いがあり、ぶつかり合い、最終的に皆でベターな結果へ歩んで行く。
大人になったな……と感慨深くもあり、妥協を知ってしまったか……と少し寂しい気持ちにもなる。そんなシナリオだった。

特徴的だったのは、メンバーそれぞれが別の未練を抱えていたところ。それらがぶつかるからこそ、「現実と向き合う」話として成立していた。
特にゆかり。振り返ると、DLCのテーマを一番強く背負っていたと思う。
現実を受け入れられず、感情を隠しきれず、周囲とぶつかる。前を向けなかったからこそ、最後に自分の足で現実へ戻る姿に意味が出る。
相変わらず、女性のめんどくさいトコを凝縮したようなキャラで(褒めてます)、正直アイギスより主人公らしいキャラだった。

逆に順平は、もう呼び捨てには出来ないくらい成熟していた。
「みんな違う気がする……」という意見が結果的に正解だったことを含め、本編で色々あったコイツが、今回は一番まともに“大人”をやっているのが面白かった。
やはり憎めないキャラクターである。

新キャラのメティスは、正直影が薄かったが、アイギスの「心」の部分というのは分かりやすくて良かったと思う。
改めて自分の心に向き合ったことで、より他人と向き合えるという着地に繋がり、最後に仲間たちと真に向き合えるようになる流れは、納得感があった。

総じてDLCは、メンバーの決着をちゃんと描いてくれたシナリオで満足できた。
「現実と向き合う」という少々ツラいテーマだったが、最後のボス含め、よくぞ向き合った!と拍手したい。
終わり方がガッツリ陽性だったのも個人的に大満足なポイント。
ゲーム部分の評価:ダンジョンが長く単調
とにかくダンジョンパートが長い。
せっかくストーリーで重めの話をやっているのに、合間の探索があまりにも作業的で、感情が温まる前に冷めてしまう。没入感がゴリゴリに削がれる。
本編のようなイベントダンジョンを期待していたところ、お出しされたのはまさかの無限タルタロス編(主人公のレベル30~75付近までずっとタルタルをやらされる)。正気じゃねェ。
なお、この間のシナリオはオマケ程度で、特に日常パートも無い。正気じゃねェ。
ペルソナ全書は、持ち主が違うからか殆どリセットされ、再び同じ流れで、同じペルソナを獲得していくことになる。正気じゃねェ。
仲間キャラは例によって弱体化され、再び同じ流れで育成していくことになる。正気じゃねェ。

他にも不満は色々ある。
ダンジョン中にずっと追っていた「黒い影」の正体がほぼ明確なのにやたら引っ張るだとか、出現するシャドウが本編と変わらず退屈だとか、宝箱の中身が相変わらずしょっぱいだとか、まあ本当に色々ある。
僕はペルソナを、「ストーリー・日常パート・イベント攻略を含めた総合体験」として楽しんでいて、今回の仕様はかなり虚無を遊ばされた感覚が強かったなと。
ちなみにBGMは相変わらず凄く良かった。暗めの音楽がDLCの雰囲気とバッチリ。ヘビロテ中。
終わりに
『Fes』の評判は不安でしたが、シナリオ面はかなり満足度が高かったです。
ただまあ、ゲーム部分があまりにも単調で、批判される要因もかなり分かる内容でした。つまらないとは言わないけど、シンプルに退屈。
キタローのペルソナ全書を使わせてくれたらまだマシだった説。
シナリオも賛否あるようですが、僕的には楽しめたのでOKです。メンバーたちの「成長痛」を存分に楽しませて貰いました。
