リメイク版『ドラクエ3』をクリアしてきました。
率直な感想として、シンプルで遊びやすく、仲間を作って、自分なりの順番で旅を進めるRPG体験を存分に楽しめました。
PTを組み、レベルを上げ、装備を整えてボスに挑む、古典的RPGの魅力が詰まった作品かなと。
ただ、遊び終えて一番残っているのは、ストーリーの展開よりも、仲間を作って、寄り道して、転職させながら進めた“自分の旅”の記憶。
最近のRPGが物語やキャラクターの濃さで引っ張る作品だとすれば、『ドラクエ3』はもう少しプレイヤー側に委ねるゲームでした。
誰を連れて、どこへ行き、どこで詰まり、どう育てるか。その積み重ねが、そのまま自分の旅になる。
そういう意味では、もっと根源的な、自由に冒険する楽しさ=ナラティブな面白さが魅力の作品でした。
久しぶりに「自由度を楽しむRPG」をじっくり遊べた気がします。
下記より詳しく書いていきます。どうぞ気軽にお付き合いください。
- 『ドラクエ3リメイク』は自分で旅を作るRPGだった
- 最初は乗り気じゃなかったが、寄り道で遊び方が分かった
- 仲間作成と転職でロールプレイが楽しくなる
- 戦闘とレベル上げは思ったより遊びやすい
- 音楽と魔物デザインが、旅の記憶を残してくる
- ストーリーは薄いが、旅の余白として機能している
- 終わりに

『ドラクエ3リメイク』は自分で旅を作るRPGだった
今回の『ドラクエ3リメイク』で特に面白かったのは、用意されたストーリーを追いかけるというより、仲間を作り、育て方を考え、寄り道しながら自分で旅を組み立てていく感覚。
もちろん魔王討伐という大きな目的はある。
ただ、実際に遊んでいて印象に残っているのは、誰を仲間にしたとか、どの職業にしたとか、どこで思ったより苦戦したとか、そういう自分側の出来事ばかり。
その意味で、本作は「ストーリーが濃いRPG」というより、プレイヤー側の想像や寄り道で面白さが立ち上がるRPGだった。
僕にとっての『ドラクエ3リメイク』は、仲間と一緒に旅をするというより、仲間を作った時点からもう自分の旅が始まっているゲームでした。
最初は乗り気じゃなかったが、寄り道で遊び方が分かった
僕的に苦戦したのはピラミッドに出現する魔物たち。
「目的地設定」をオンにしていたため、探索をせずにそのままピラミッドに直行したのがマズかった。
恐らく本来は「エルフの里→ピラミッド」という順番でのクリアを想定してあるのだと思う。設定に騙されたカタチ。
序盤だけは目的地設定オフにした方が逆にスムーズな冒険を楽しめそう。
まあこれは僕が最初はあまり本作に対して乗り気じゃなく、探索とか面倒だと思っていたことがデカい要因か。
その分、戻ってエルフの里を見つけた時は「こういう遊び方か!」と完全に理解でき、そこからの冒険はスムーズだった印象。楽しくなってきたのはココ辺りから。
ここでようやく、このゲームは目的地へ一直線に進むより、自分で寄り道して、準備して、順番を見つけていく方が面白いのだと分かった。
目的地設定自体は便利なんですが、『ドラクエ3』の面白さを考えると、少し迷うくらいの方が旅をしている感覚は出やすい。
ダンジョン攻略については、意外と「昔のRPGっぽさ」が無いというか、ダルい戦闘や変な謎解きも少なく、基本的には戦闘に勝つこと・宝箱の探索のことを考えていれば良い。
恐らくリメイクにあたって緩和されている部分だとは思うが、この頃のゲームって「面倒」なイメージがあって。
それは巷では「難しさ」とも表現されるのだけど、僕的にはやはり面倒に感じるコトが多い。
元々こういう仕様だったのか緩和されたのかは知らないが、本作に関してはとても遊びやすくて僕は好き。
全土がランダムエンカウントなのは正直少しダルかったけれど、概ねストレス無く楽しむことが出来たと思う。「最悪力技で突破できる」くらいの塩梅が丁度いい。

仲間作成と転職でロールプレイが楽しくなる
『3』は『9』同様に転職システムがメインの遊びポイントとなっており、それに伴って仲間も自分で作る所謂「お人形遊び」を楽しむ仕様となっている。
これまた有識者曰く「仲間作成・転職があるのは3と9くらい」とのことで、これまた微妙に"真のドラクエ"を経験し損ねているような気もするが、ココに関しては次に出る『リメイク版1&2』に期待ということだろうか。
僕は仲間に友達の名前を付けてキャッキャと遊んでいたが、案外コレが面白く、意図的に高性能にしたり、イメージと全く違う職業に就かせたり等々、ロールプレイを存分に楽しんだ。
ノリでテキトーに作ったまものつかいが序盤PTの柱になっていたのは今でも笑ってしまう。敵を舌で舐めたり、友達を毛繕いするペロペロしたがりなバケモンの完成である。名誉毀損が過ぎる。
こういう遊び方をすると、強いから入れているだけではなく、「コイツがこの職業やってるの面白いな」みたいな感覚が出てくるから良い。

職業・覚える技・ステータスの伸び等も非常にシンプル。
性格要素のちょっとした味付けはあれど、特に難しいことを考えるでもなく、「コイツはこう育成したいからこの職に就かせる!」みたいな単純な思考で楽しめた。
『9』で実装されていたバトルマスター等の上級職は賢者のみだったが、これがまた非常に強い職で文字通り終盤PTの柱だった。
遊び人から転職という要素には「???」だったが、アレは賢者タイム的な意味と捉えて良いのだろうか。
ちょくちょくびっくりする表現が出てくるゲームだったので(「東の野蛮人」とか「さつじんき」とか)、真偽は非常に気になる。ナニ的な意味では無く。
僕的には遊び人の「これって遊ぶ人じゃなくて遊ばせる側の人じゃねーの?」というデザインが、当時のスクエニのセンスを感じさせる部分で好きだった。
戦闘面での強さはイマイチ分からなかったが、賢者の前に力を溜めるターンと考えると愛着も沸いてくる。
ゾーマを倒した時点での最終PTは勇者・武闘家・戦士・賢者。転職を数回挟んでいたので仲間は普通に強く、逆に勇者が「う〜ん?」となるような性能だった。
タネを定期的に食わせていたおかげでパワー不足とまではならなかったが、意外と勇者って弱いのな…と僕的には衝撃の新情報を得られたカタチ。なろう系漫画だと勇者はクソ強なんだけどな…。
この辺りも、結局は「誰をどう育てるか」を自分で決める面白さだったと思います。
勇者が絶対的な主役というより、転職を重ねた仲間たちが旅を支えている感覚があって、そこも本作らしい楽しさ。
戦闘とレベル上げは思ったより遊びやすい
レベル上げに関しては「思いのほかラク」というのが率直な感想。
『9』はシンボルエンカウントで、僕の小学生時代はポケモンでもドラクエでもFFでも戦闘を避ける傾向にあった。
それが災いし「レベル上げが面倒なゲーム」というイメージが染み付いていたが、ランダムエンカウントでは自然と倒す流れになる為、素直にレベルが上がっていく。
ぶっちゃけメタル狩りも要らないっちゃ要らないまであり、転職数回&ストーリークリアくらいなら普通に探索しながら進めるだけでも問題ないゲームデザインだった。
ここは嬉しい誤算。
個人的に少し残念だったのが、戦闘AIが優秀すぎて逆に「俺いらなくね?」となったこと。
もちろんMP効率の悪い技をパなしまくったり、急にザラキ連打したりする謎のムーブもあったが、正直ほとんどAIに任せても良いな〜くらいのレベルではある。
ボスだけは僕の個人的な意地で独力プレイだったが、ソレ以外の雑魚戦はほとんどAI操作。レベルを上げすぎたのもあるかもしれない。
このAIの優秀さは快適ではあるけれど、自分で旅を操作している感覚という意味では、少し薄くなる部分の方が大きかったかなと。
ちなみに難易度はノーマルで、ゾーマ戦でもそこまでの苦労は無かったが、とにかくヤツのいてつくはどうがヤバすぎて「コイツずる過ぎない?」となった。3回行動でラスト1回オマケみたいに波動されるコッチの身にもなって欲しい。

しかしそれ以外は特に文句のつけ所も無く、シンプルが故にサクサク快適な戦闘で、シンプルが故に分かりやすく、シンプルが故にBGMの良さも際立つ、と良かった点ばかり。
エフェクトも終盤の魔法は程よく派手で見応えがある。檜山ボイスも良い。
戦闘そのものが複雑すぎないから、育成や旅のテンポを邪魔しない。そのシンプルさが、今回の『ドラクエ3リメイク』では良い方向に働いている。
音楽と魔物デザインが、旅の記憶を残してくる
まず最初に思ったのが、音楽がすんごく良い。今回使用されているのはアレンジ版らしく、どのロケーションでもオーケストラ仕様のリッチなBGMが聴ける。もう既にサントラが欲しい。
僕的にはフィールド汎用BGMの「冒険の旅」が1番好きだった。
やはり聴く機会が多い曲が好きになりがちである。タイトル画面の「ロトのテーマ」もモチロン良かった。ゲームを始めて一瞬で理解できる氏の才能たるや。
気になってFC版やSFC版も聴いてみたが、どれも特有の良さがあって甲乙つけ難い。
僕は当然リメイク版が初聴なのでオーケストラ仕様→ピコピコ音という流れであり、「よくこの音に落とし込んだな…」という感想が真っ先に出てきた。才能以外の何物でもないですよこれは。
旅の記憶って、かなりBGMに引っ張られるところがある。
特に「冒険の旅」は、フィールドを歩いているだけで、今どこかへ向かっている感じを作ってくれる曲だったなと。

先ほど少しフライングしたが、魔物たちのデザインも非常に良かった。
ポケモン的な捕獲要素は無いのだけど、ただのRPGのモブ敵で登場するには惜しいくらいの多々なデザインで、そう考えると『モンスターズ』シリーズは画期的なゲームだった。
キラーマシンが見れなかったのは少し残念ではあった。
ヤツはもう少し後のタイトルに登場する魔物なのだろうか。結構強かったイメージがあるし、居たら居たで主に僕のヘイトが頂点に達していた説もある。
魔物は見たいけど戦闘はしたくない、そんな二律背反を迫られるゲームである。
音楽も魔物も、単体で見るとただの良かった要素なんですが、実際には旅の記憶をかなり作っている部分でした。
どこへ向かって、何と戦って、どの曲を聴いていたか。その積み重ねが、今回の『ドラクエ3リメイク』の印象を支えていたと思います。
ストーリーは薄いが、旅の余白として機能している
最後にストーリーについて。まあこれはぶっちゃけそんなに重要じゃないというか、本当に旅の「動機づけ」のような感じかなと。
街ごとのイベントや、親父との別れ、魔王討伐の任務等もあるっちゃあるが、僕的には本当に要素だけというか、特に深く考えることも無かった。
ただ、ストーリーが薄いこと自体は、今回はそこまで悪い印象ではない。
むしろ仲間や道中の記憶をこちらで勝手に作れるぶん、旅の余白として機能していたと思う。
どちらかというと、魔王討伐に向かう勇者に50ゴールドの路銀しか渡さない王様や、その任務の仲間を酒場で探させたりだとか、そういったしょーもない要素ばかりが目に止まったまである。子供のおつかいじゃねーんだからさ。
ただバラモスを倒した後にゾーマが出てきた時は「バラモスが手下…?」とはなった。
素人的には「ゾーマが魔王!」というイメージが強すぎて、逆に「パッとしない見た目だけどバラモスって魔王なんやな…」みたいになってた。


ストーリーを追って泣くとか、キャラクターの関係性で引っ張られるとか、そういうタイプのRPGではなかった。
だからこそ、僕の場合は仲間作成や転職や寄り道の方が前に出てきた、という感じ。
こちらが勝手に旅の思い出を作るための余白が広い、いわば懐が深いゲームでした。
今の感覚で言うなら、『ドラクエ3リメイク』の面白さはそこにあったと思います。
終わりに
面白かったです。
シンプルが故に変なところも無く、転職順を考えたり、道具をどう持たせるのか考えたり、パーティを考えるのが素直に楽しかった。
ただまあ本作も、僕の周りが言っている"真のドラクエ"とは違う寄りの作品な気はしていて、今度発売の『1&2』にはその辺を期待。というか最早『11』で真のドラクエを先行体験するのもアリ。

なんなら本作が楽しかったが故に『9』をまた遊びたくなっているまである。
当時はマジで「レベル上げが面倒」というイメージしか無かったため、改めて遊ぶと楽しさ・面白さに気づけるかもしれない。
わーわー騒ぎましたが僕からは以上です。読んで頂きありがとうございました。