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漫画『2.5次元の誘惑(リリサ)』感想。「可愛い」と「熱い」が共存する脅威のバランス。

 

漫画でもゲームでもその他の創作でも、その作品が自分にとって「波長が合う作品」かどうか。僕はソコを最も重視している。

 

この「波長が合う」というのが曲者で、究極的に言ってしまえば、作品自体が「面白い」かどうかは僕にとってあまり関係ない。どちらかといえば作品のテーマや物語の方向性、物語の文脈が好みかどうか。要は、「面白い」と「好き」は完全にイコールでは無いという話。

具体的には、比較的素直な物語で、熱いシーンもしっかり存在し、キャラクターの成長に重きが置かれた作品が僕は大好物。少年漫画にありがちなヤツなのだけど、大人になっても中々この好みからは抜け出せず、いつまで経っても心はキッズのままである。

 

そんな作品ばかりを嗜好していると、特に漫画だとジャンルが偏りがちで、読書履歴がバトル!スポーツ!ヤンキー!バトル!スポーツ!ヤンキー!といった具合に、いつ間にか画面の9割は男が占めている状態になっている。ここが男塾か……。

まあそれ自体はそこまで気にしてないが、たまには女の子成分も欲しい。でも、無い。素直な展開で、熱いシーンもあり、キャラの成長がメインで描かれた、女の子キャラ多めの作品が。改めて見るとワガママ過ぎて自分でも笑ってしまう。

一応そんな作品があるにはあって、『ニセコイ』1~6巻や『僕勉』はかなりアツく、そういった時期には必ず読み返している。どちらも大好きな作品で、双方クライマックスが激アツなのが僕的イチオシポイント。

 

そして、久しぶりに、素直!熱い!成長!可愛い!な第3の選択肢と出会ってしまった。それがジャンプ+で連載中の2.5次元の誘惑』ことにごリリである。

 

2.5次元の誘惑 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

実は前々からキャラが可愛い!と気になっていた漫画で、試しに1巻を買って読み始めたら、もうそこからはノンストップ。気づいたら最新22巻まで読み終わっていた。これがイザナギだ。

 

本作はブコメ×コスプレが上手く融合された作品。……かと思いきや、想像以上に「ジャンプらしい熱さ」が内包されていたというオチ。

事前知識では「コスプレを深く掘り下げていく作品」という先入観を抱いていた。確かにコスプレをメインに取り扱ってはいたが、それはあくまで数あるエッセンスの内の1つであり、本質的には成長物語やそれに付随したラブコメに軸足が置かれていた印象。

コスプレ版『ヒカルの碁』とまでは少し言い過ぎかもしれないが、コスプレ界隈について全く知らなかった僕でも問題なく楽しめし、コスプレについて造詣が深くなったワケでもない。でも読了後の満足感はバツグンで、「なんかよく分かんないけど、面白い」という感想を抱く。

 

本作の軸は大まかに分けて2つ。勿論どちらにもコスプレが絡んでくる。

  1. 主人公・奥村の精神的成長
  2. リリサの夢

この2つを軸に、途中でラブコメが絡んだり、茶番が入ったり、新キャラ登場からのキャラ掘り下げ回が挟まったりは、いわゆる「ゲストのお悩み解決回」が入ったりする。

リリサの「コスプレ仲間を作る」「究極のコスプレROMを作る」「将来はコスプレ屋さんになる」という夢を原動力に、時には熱い展開があり、時には現実を知る展開もあり、でもやっぱり最後にはグッとくる展開で〆という、変に逆張りした展開が訪れない作品なのはGood。

しかし、コレ自体は割とよく見る構成ではある。実際、僕も初めのうちは「オタク版『ToLOVEる』みたいな漫画なのかな〜」だとか、「絵の上手さで人気出てる作品なのかな〜」だとか思っていた。が、違った。

 

本作の真骨頂は「1.主人公の成長物語」の濃度が限界突破している点にある。

 

開幕1ページ目から「3次元には興味が無くなった!2次元しか愛さない!」という主人公の独白から始まり、この時点で「ああ、この物語は主人公の成長も描かれるんだな」という薄い予想はしていたが、まさかここまでメインの軸だとは。

大体のコメディ寄りラブコメだと、主人公は基本的に「無キャ」というか、かなり徹底して舞台装置として扱われる印象があるが、本作では「3次元での恋愛はしない」という設定が上手く「無キャ」と絡められており、物語の推進力足り得ている。

「パッと見は人畜無害なテンプレ主人公だが、実は自分の殻に閉じこもっているだけ」というスタートから、他者と関わることで自己を認識し、満を持して「3次元で恋ができるようになる」までの成長ぶりは、見ていて非常に痛快だし、自然と好感も抱く。

 

なんというか、2010年代のオタクなら一度は見たことあるような「女の子相手にもクールで、お色気にも動じない」「でもやる時はやる、熱いヤツ」な主人公である。それだけならちょっと臭すぎるキャラだが、「趣味に対してはどこまでも情熱的」という属性によって上手く脱臭している、という感じ。

こういう系の主人公には、僕も当時は感情移入していた気がするが、今回はしっかり親目線で見守らせて頂き、少しほっこりするような、そして、僕も少しは成長したんだな…という謎の達成感も混ざった、かなり独特な感覚に浸ることができた。

やはり「キャラクターの成長」という要素は少年漫画の大きな見どころだと思う。本作はその部分が非常に太く、かつ丁寧に描かれており、おおよそラブコメとは思えない熱量で主人公にフォーカスされているのはシンプルに好印象。何の気なしに選んだ漫画が、まさかの僕が1番好きなヤツだったというオチ。

 

また、上記の他に「趣味に対してはどこまでも情熱的」という属性も持っていて、その持ち前の情熱で漫研(コスプレ部)の「お悩み解決」をガンガン進めていたのも印象的。

前述した「3次元には興味ナシ」の属性と絡めて、「ヒロイン以外に恋愛感情は無いが、(オタクの同士として)お悩み相談には前のめりで応える」という理屈で、女の子キャラが増えても、ドロドロとした展開は一切無い。

僕は、女キャラが増える度にフラフラしだす主人公には何やってんだコイツァ……という感想を抱きがちなのだけど、本作では全くソレが無い。このままヒロイン1本で行って欲しい。

 

そんなこんなで、「1.主人公の成長物語」の濃度が高い部分が、僕が本作を「波長が合う」と思った理由でもあり、信頼度が高い理由でもある。

ToLOVEる』のような、ゲストキャラで話を回していくドタバタコメディもそれはそれで面白いが、本作のような「問題発生→解決→キャラの成長」のループが組まれている作品はやはり読み応えがあって、とても好み。

そしてソコが22巻現在までブレていない作品でもある為、これは最後まで追いかけるしかない!と思ったワケだ。隔週連載なだけあって画力もずっと安定しているし、テーマもブレない。ここまで信頼度が高く、「波長が合う」ような作品も久々である。

 

なお、もちろん主人公だけでなく、ヒロイン達の成長物語もしっかりと組み込まれている。

基本的に「お悩み」の根本が「理想と現実のギャップ」「自分がどう在りたいか」など、実に思春期らしいお悩み。故に、答えは自分の中に有るため、ソレを主人公が導いてあげるというスタイル。

問題はキャラクター自身が解決し、主人公はその"場"を整えてあげる役割。その中で、そのキャラの魅力や「趣味」に対する向き合い方が光る。自分を見失っている者にはその「原点」を、見えない他者の評価に苦しむ者には真正面から素直な気持ちを、自己が認識できていない者にはそのキッカケを。

各話ごとにメインキャラは違うが、そのキッカケに必ず主人公が絡んでいるため、ちゃんと物語の中心にいる。それでいて少年らしい未熟な面もありつつ「軸」は絶対にブレないため、キャラクターとして非常に好感が持てる。

これは「趣味との向き合い方においてこれまで皆を諭してきた主人公が、自己との向き合い方においては最も未熟」ということの裏返しにもなっており、だからこそ「1.主人公の成長物語」がより一層面白く感じるのだ。今まで助けられたキャラクター達が、主人公の成長を助けてくれる展開も熱い。

 

まあ、あまりにも聖人が多すぎるだとか、身内の内々で問題が全て収束したりだとか、途中のご都合主義が過ぎる展開等、「基本リアル調なのに突然ギャルゲライクな超展開でなんとかなる」的な部分もあるにはある(特に2.リリサの夢 関連)

ギャグ・茶番回に作者の趣味が出過ぎていて、作品の奥の作者が見えるシーンもそれなりにあるし、良くも悪くも「オタク向け」というか、読者と作者の距離感が近すぎる気もする。

だがそれ以上に、「キャラクターの成長」が太く描かれている部分を僕は気に入った。他にどこが面白かったかを考えても、やっぱり結局はそこに行き着く。

 

総じて、めちゃくちゃ面白いので今後が楽しみ!

 

 

終わりに

そんなこんなで、「この物語を見届ける」という、僕の生き甲斐がまた1つ増えました。

恋愛要素に関しては着地点は既に見えている気がします。そこに行き着くまでの道のりが楽しみ。

 

アニメは未視聴なのでぼちぼち観てみようかなと。未視聴だけどEDは死ぬほどヘビロテしていて、なんとなく雰囲気は分かっているつもりです。絵がとにかく綺麗で可愛いのはGoodすぎる。

 

わーわー騒ぎましたが僕からは以上です。読んで頂きありがとうございました。