ここ最近のSNS漫画広告は、大体がスカッと系なろう漫画か退職代行漫画のどちらかである。胸糞展開をとりあえず並べて、スカッとする過程をチョイ見せして、続きはアプリで!のスタイル。
別に露悪的な描写が嫌いなワケでは無いが、これが安心して消費できる娯楽として定着している現状には、正直あまり健全さを感じない。それだけ社会全体にモヤモヤが蔓延っているということだろうか。何もかも石破政権が悪いのか。
そんな僕のタイムラインに彗星の如く現れた漫画広告が『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収~用済みとパーティー追放された俺は、可愛いサポート妖精と一緒に取り立てた魔力を運用して最強を目指す。~』である。
物語のオチ全部説明しちゃった系タイトルは今更だが、どうにもリボ払いという題材がすんごく気になる。お金の話題に敏感な昨今でよくコレで行ったなと思う。
結論から言うと、本作は「リボ払い」という珍しい設定を看板にした、かなりテンプレ寄りのスカッと系なろう漫画である。
やはり何事も「実際に触れずに・経験せずに断じてしまう」のは良くない。
ということで、ピッコマで公開分まで読んだ感想をザッと書いていく。どうぞ気軽にお付き合いください。
まず初めに、リボ払いは元パーティーメンバーのみ対象で、他キャラに対しては普通の分割払いだった。ザ・普通。
タイトルからして、「ダークヒーローな主人公が、リボ払いを駆使して悪人をバッサバッサ薙ぎ倒していく」漫画かと思いきや、主人公は普通に善人だし、対して元メンバーは例によって尋常ならざる悪辣さ という、本当にマジでいつものヤツである。
本作は大まかに、サポート役の主人公が他3人から理不尽に追い出されるもその後自身の能力が覚醒し、覚醒したリボ払い能力を使ってスカッとするお話。これを要約すると『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収~用済みとパーティー追放された俺は、可愛いサポート妖精と一緒に取り立てた魔力を運用して最強を目指す。~』となる。いつものヤツ。
例によって、そもそもサポート役って1番成長が遅いジョブなのに育ってきたところで解雇するの?!だとか、いくら増長してるからといって人間性終わりすぎじなんじゃねーのだとか、ツッコミどころは多種多数にあるがいちいち気にするのは野暮だ。
それはコナン映画のラスト30分にケチをつけることと同義であり、それらはそういう予定調和を楽しむものでもある。
とはいえ、まあ、普通だなというのが本作の率直な感想。読み終えた後に特別何かが残るタイプの漫画ではない。
基本的に「広告でよく見かける」ような作品は、大体が何かしらちょっと変わった要素が入っているモノだが、本作に関してはびっくりするくらいテンプレぴったり。誤解を生む言い方だが「暇つぶしに特化している」という印象。
僕的に、コレ系の漫画は(そもそも個性が薄い作品群なのに)年々個性が無くなっている気がしていて、本作はその最たる例のうちの1つなのかもしれない。
なんというか、キャラの造形や物語の大筋はほぼ一緒で、違うのは能力の詳細だけ、みたいな。
色々考えると、この「型が決まっている」というのがキモなのかなと。
平たく言うと「(その手の)才能があまり必要ない」というより、才能を消費速度に変換したフォーマットなのかもしれない。
なんだかめちゃくちゃ酷評したみたいになってしまったが、普通に読む分にはストレスフリーだし、基本ageな展開が連続するため、サッと読む分にはそれなりの面白さは担保されている。
最近面白い作品ばかり摂取しすぎたな……という人は、こういうのを読んで感覚を一旦リセットするのも大切である。面白いものばかり摂取していると、やはりどーしてもハードルが上がってしまい、本来面白いモノを素直に面白いと感じなくなってしまう。
僕はその辺を無事リセットできたので、次は普通に面白そうなのを読もうと思います。こういう漫画はそのためにある。
ちなみに、リボ払いの設定だけはヤケに凝っており、元本の魔力がどーだの支払い猶予がどーだの差し押さえがどーだのと、妙にリアルで悲しい気持ちになってしまった。
結果的に元メンバーは自己破産(?)し、エーテルをガブ飲みしても足りない魔力分は、己のスキルを差し押さえられてチャンチャン、というオチ。
金融で破産する人を描く漫画は沢山あるが、まさかソレをスカッと系に落とし込む漫画は中々無いと思う。世も末である。
どうやら本作世界では「スキル=その人の価値そのもの」というのが一般的な価値観らしく、スキルを失った連中は基本ヒューマンデブリになるっぽい。
今のとこ描かれたのは幼なじみ女子1人だけだけども、恐らく他のメンバーも同様なのかなァ、という感じ。
僕はその辺特に何の感動も無かったので、エーテル漬けでヤク中になった幼馴染の表情がエロいな〜と思いながら読んでました。
既刊4巻にして「リボ払いでスカッと」してしまい、既にタイトル回収が完了してしまったワケだが、今後はどうなるのだろうか。
一応最後の方に「七つの大罪」に絡めたスキルがどーのこーの言っていたので、それが軸になるっぽい。
僕の場合は、スカッと漫画がスカッとし終えてしまったらそれもう終わっていいんじゃ……と思ってしまい、この先の展開には正直あまり興味を持てなかった。
ただ、この手の型が好きな人にとっては、むしろここからが本番なのかもしれない。ピッコマの待てば0円枠だし、脳死で読む分にはちょうどいい作品だと思う。
わーわー騒ぎましたが僕からは以上です。読んでいただきありがとうございました。
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