『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』をひと通り遊び終えました。
率直な感想として、シナリオはかなり面白かったです。
1周目で謎をバラ撒いて引っ張る構成も良いし、各ルートでキャラや関係性の見え方が変わっていくのも面白い。
ただ、100日制や探索・戦闘は面倒に感じた場面が多く、人には勧めにくい部分もありました。
以下より、ネタバレありで詳しい感想を書いていきます。
HUNDRED LINE(1周目)感想
ループの1周目であり、実質的なチュートリアル。
なぜ100日間なのか、侵校生とは一体何なのか、我駆力とは何なのか等、謎が謎を呼ぶ展開が、キャラクター以上に推進力となって物語を牽引していた。
僕はこの時点では『ぼくらの』的な設定を想像していて、
- 我駆力は少年少女にのみ定着し100日間しか持たない
- なので100日防衛させたらポイと、次々に少年少女を拉致して学園を守らせている
みたいな真相を想像していた。
しかし、終わってみれば「蒼月が裏切りの犯人」というオチであり、正直なところ、そこまでの驚きは無かった。
ただまあ、2周目最初の分岐(殺すor生かす)で意外と悩んでしまったあたり、この1周目で意外と愛着が湧いていたのかもしれない。
本作全体を俯瞰すると、1周目は最も無難なエンドだったなと。
そして、ループものらしく1周目こそが実は正解に近いルートでもあり、これを基準にアレコレ比較して考えるのが楽しい。
この時点では謎が謎のまま放置されており、色々な意味で「タイムリープする」以外の選択肢はない。ここからが本番だ。
総じて、(ゲーム部分を除けば)シンプルに楽しめた1周目だった。
シナリオはちゃんと面白いし、2周目への物語の“ヒキ”も良く、チュートリアルとしては上々の出来だと思う。いやでもやっぱり「100日間」は長ェかもっス……
HUNDRED LINE2(2周目以降)感想
2周目以降。実質的な本編。
アドベンチャー開始ということで、本格的にルート分岐が始まる。ここからがマグマなんです。
選択肢は多岐にわたり、真面目なものからネタ感溢れるものまで、制作陣らしい遊び心が満載だった。
シナリオの概要としては、1周目のような「100日なんとか生き残る」というより、主要キャラの性格・性質が徐々に明らかになっていくものが多い。
どのキャラも、キッカケ次第でとんでもないことをやらかしたり、ちょっとしたことで印象が激変したりと、そのルートでしか見られない一面が必ずある。
だが正直なところ、僕的には太い縦軸が1本欲しかったなと思う。この設定なら、SF編を発展させたようなトゥルールートがある方が好みだった。
とはいえ、お話自体はどれも面白かったし(完成度にムラはあれども)、キャラゲーとしてはコレで問題ないとも思う。あくまで好みの範疇。
と、ルート全体を総括した感想はそんな感じ。
ここから先は各エンドごとに感想を書いていく。順番は適当です。
(個人的に印象が強かったのは、ヴェネシス編、ノモケバ編、独裁政権編あたり。逆にSF編は期待値が高すぎたぶん、少し肩透かしだった印象。)
恋しちゃったんだ編
まさかの1番最初に入ったルート。
『ダンガンロンパ』で初っ端から霧切さんを攻略しようと試みた僕としては、例によって雫原ネキが一番好みで。
ということで、性癖に従って進めたらこのルートに入ってしまった。なんでやねん。
結果として、ネキと恋愛は出来ないし、本編中の謎は全然明かされないしで「なんだこのルート?!」と、途中で一旦ストップ。
だけど、本作をあらかた遊んだ後でプレイすると、ジワジワと特有の”味”が効いてくる。そんなルート。大鈴木と凶鳥に萌えられるのはこのルートだけ!
大鈴木の可愛さにやられたルートであり、「やっぱビジュアルって大事だな……」と実感させられるルートでもあった。あの被り物は何。
SF編(1回目)
恋しちゃったんだ編を一旦ストップして、改めて遊び直したらこのルートに入った。
しかし、本作のトゥルールート(に最も近いルート)なだけあって、シナリオロックがかけられており、こちらも早々に断念。
別ED回収後にまた来い!とのことで、こりゃあ面白いシナリオが期待できそうだ、と期待値は爆上がり。
雰囲気的にも雫原ネキのルートっぽいし、このルートを楽しみに本作を遊んでいたまである。
ただまあ、振り返ってみると、設定の公開タイミングがちょっと早すぎる気はしている。
僕的には、このルートに入る選択肢どころか、最初の「タイムリープを打ち明けない」選択肢をロックして欲しかった。
様々な経験をした上で、“満を持して”入るのが最も楽しめるルートだったのかなと。
真相解明編
「タイムリープを打ち明けない」が早々に詰まってしまったので、渋々「打ち明ける」を選択し、あとは無難な選択をし続けるとこのEDに至った。
結果としては、主人公陣営はほぼ壊滅し、唯一残った“人間”と異星人とで新世界エンド。綺麗な終わり方ではある。
ただ僕は、いわゆる「トロッコ問題」において、「身内が居る方」もしくは「助けたいと思った方」を迷わず選ぶ人間なので、このEDはあまり好きではない。
そもそも、なんとなくベターな選択肢をとり続けた結果のEDなので、そういう意味でも好きじゃないなァ、と。
とはいえ、明かされる真相はどれも衝撃的。『彼方のアストラ』を読んだ時の衝撃に近い。
戦場がそもそも地球じゃなかった設定には驚いたし、記憶を植え付けられている設定と、そこからの克己はかなり熱い。
1周目終盤の、霧藤の「たっくん」発言からして、微妙に「ん?」となる設定だったが、まあ些細なことでしょう。未回収のエンドにその辺が説明されてる?
蒼月が真の仲間になるのもこのルート。蒼月関連では1番熱かった。
リスタート編
真相解明編との分岐EDその1。こちらの方が好み。
なお、人類・異星人ともに全滅と、被害自体はかなり悲惨。
「ミサイルをそのまま見逃す」という選択はアレだけど、「隊員同士のために戦う」という共通認識ができたところだし、コッチのが色々と幸せなのでは……?と思う。
お先真っ暗感と一筋の希望がごちゃ混ぜになった、このルート特有の“味”がとても好み。こういう「台無し」な展開は性癖に刺さる。
独裁政権編
真相解明編との分岐EDその2。リスタート編よりも更に好み。
その生い立ちで「人類のために戦う」とはならんやろがい!と僕だったら思うので、かなり納得感のあるEDだった。
結果としては「現状維持」で、霧藤とカミュンのどちらを助けても面白いと思う。個人的には霧藤を助ける方がより好み。
また、将来図が面白くなりそうなのもこのEDかなと思う。人類はゴミだ!人類は抹殺しよう!
イヴァー編
異星人側の日常視点は珍しく、思いのほか面白かったのがこのルート。えっちなイヴァーが見られるのはこのルートだけ!
「可愛い」という基準では、イヴァーがダントツでヒロイン適正が高かったなと。
その分、推理編やSF編のイヴァーでかなりショックを受けたのはまた別の話。なによりもボテ腹イヴァーがえっちだった
ヴェネシス編
思いのほか面白かったルートその2。
イヴァー編以上に、異星人側の事情がより深く理解できるルートでもあった。
個人的に、こういう傍若無人なキャラは大好物で、できれば攻略してみたいと思っていたところで、このルート突入で大歓喜。
ただ、選択肢は「川奈を犠牲にする」という、どう考えても一般的な感性ではまず選べない択なのも笑う。
ラストの「2人ぼっち」EDはかなり好みで、恋愛シナリオなら僕的に1強なまである。
ちなみに、ヒロインとしての好みは、1位ヴェネシス・2位イヴァーと、僕の中では異星人がツートップを占めている。やはり人類は抹殺すべきですよ。ええ。
青春編
そのまんまザ・青春!って感じのルート。後味スッキリで、最も万人受けしそうなお話。
「タイムリープを打ち明ける」側では、最も大団円なEDだと思った。
所々でキャラの心情が分からず唐突さを感じる部分もあったが、短編としてまとまっていて面白かった。
蒼月の洗脳云々はSF編で描写されるので、スムーズに全体を理解したいなら絶対通るべきルートでもある。その割にはシナリオロックの条件じゃないけども
血みどろ編
雫原ネキにとにかくグッときたルート。でも、ネキがちゃんとヒロインしているのはココだけだったりする。
中盤以降になると犯人はどう考えても……な感じになるんだけど、それでもと庇い続ける展開、とても好き。重い女は好きだぜ……
また、1周目時点で嫌いだった丸子を、更に嫌いになってしまったルートでもある。
色々と戦犯ムーブをぶちかましまくっている上に、最後は自己満で死んでいくという、割とマジで良い所が無かった。
まあ最も人間くさいキャラではあるが、そもそも人間くさいキャラが本作で必要なのかは怪しい所。
なお、最終盤の分岐については、明らかにルート攻略順をミスった感が強く(ギィ寄生エンドより先に雫原心中エンドを攻略してしまった)、この辺はちょっと不親切だなと思ったり。
ワザワイの箱編
そんでもってギィの大活躍(?)描いたルート。ここでもイヴァーが良い嫁してる。
ただの寄生生物が、ここまで重要なファクターになるとは。もはや侵校生より脅威。
全員ゾンビになってヴェシネスをシバくのはネタ感満載だったし、霧藤を敢えて見逃すルートも葛藤が見られて面白かった。
中でも除霊ルートがお気に入り。
「1番アレな選択肢なのに(この分岐関連では)1番生存者が多い選択肢」という皮肉。しかも案外ギィ特効がありそうという。
血みどろ編での丸子ヘイトがかなり癒された。通って良かったルートのうちの1つ。
推理編
こちらもギィが大活躍したルート。
ただ今回はギィが直接手を下さず、味方同士でコロシアイする展開。
証拠を集めて殺人犯を特定するのはダンガンっぽくて楽しかった。
主人公が暴言を吐きまくるのは特に印象深い。特に、銀崎に対してはマジで言いたい放題すぎて、久々にゲームで声出して笑った。
ただまあ、各キャラの性格上、過子Gに色々と吹き込まれたからといって、サクッと殺人を犯してしまうのは少し唐突さを感じる。
人質や物質を取られて犯行に及ぶ方が、まだ納得感はあったような。
ラストは、他の世界線から仲間を連れてきて全員生存ED。
単体では明らかに完結していないルートで、まあこういうのもアリかな、という感じ。
好き嫌いは特にナシ。強いて言うなら、過子Gをスカっとブン殴れる展開は欲しかった。
SF編(ロック解除以降)
正直なところ、微妙な感じ。
かなり期待していたルートだけに、内容の薄さから「普通に良かった」くらいに落ち着いてしまった。
完全に中盤以降のシュタゲライクな熱い展開を期待していたので、どうやら期待値を上げすぎたっぽい。
一応、やろうとしている内容自体は良かったと思う。
他ルートを総括するような内容、蒼月の洗脳が完全になる、雫原ネキの全容が分かる等、見どころは多かった。
しかし、(「敢えて」なのかもしれないが)特防隊全体との関りが薄いルートで、理想EDに行くためには主人公とネキだけで頑張るのが最適解という、なんだか味気ない結果になってしまっている。
他にも、最後の選択肢次第で、微妙な感じで終わったり、その割に逆の選択肢でご都合主義な展開に突入したりと、どうにも納得感がない展開。
とはいえ、解放までの手順含めても一定の達成感はあった。このEDを見て「このゲームはおしまい!」という気持ちにもなった。
総括編としては微妙だったが、これも「ループのひとつ」という前提なら、こういうのもアリ、くらいに収まるのかなと。でもやっぱり好きではない
デスゲーム編
名前の通りのルート。
入りたての段階では全く期待していなかったのだけど、思いのほか見どころが多かった(主人公サイドのキャラ達の良い一面が見られたり、銀崎の男らしい立ち回りを見られたり等)。
なにより、面影の熱い一面が見られたのが印象的だった。良い意味で期待を裏切られたカタチ。
なお、このルート以外だと、「たまにヤバい発言するけど良い人」以上の情報がそこまで出てこない人だったりする。キャラは濃いのに……
ノモケバ編
飴宮ルート。SF編よりコチラの方がトゥルーエンド感が強い。
やはり、人対人の関係を描くシナリオは面白い。
「世界・設定と戦う」ような話は、どうにも「”面白い”のハードル」が高くなりがちで、SF編でソレが達成できていたかはかなり怪しい。
そういう意味で、こっちのが完成度高く感じるなァ、と。
ラストの選択肢はどちらを選んでも最高。僕的には心中するルートが好みだった。
選択編
なんですかこれは
「100」という数字にこだわった故に生まれてしまった、悲しきルート。
某聖杯戦争っぽい即死ルートが沢山あり、懐かしい気持ちになった。面白くはない。
サイワイの箱編
なんですかこれはPart2
探索ってつまんねーんだなって……
終わりに
自分で買って、自分だけで遊ぶ分には問題なく楽しめました。
しかし「人に勧められるのか?」と言われると微妙。セール中だとしても微妙。
理由を正直に言ってしまうと、100日はちと長すぎるなと。
戦闘・探索もかなり面倒で、例によってシナリオとそれ以外で、向いている方向があまり噛み合っていない印象。いつものヤツ。
とはいえ、気づけば70時間超えプレイした久々のゲーム。全エンド回収するなら100時間は越えそうです。
僕のような、いつまで経っても『ダンガン』の幻影を追いかけている人間だったら楽しめる作品なのでは。
なんだんかんだ次回作も楽しみです。