※劇場版最新作のネタバレあります。未見の方はブラウザバック推奨。
※アニメ『鬼滅の刃』柱稽古編の内容と、劇場版『無限城編 第一章 猗窩座再来』の感想・評価をネタバレありでまとめています。
一世を風靡するジャンプ漫画『鬼滅の刃』のアニメ版も、とうとう無限城編まで来てしまった。ちょっと前まで無限列車編でキャッキャしていたかと思っていたら、いつの間にかアニメの方も完結に近づいており、軽くショックを受けた。
原作漫画が完結してそこそこ経つのだけど、メインターゲット層的にはやはりアニメ版が真打というか、こちらが終わるまでは未だ完結に非ず、といった感じなのだろうか。それくらいアニメの盛り上がり方には毎度驚かされている。
一応、僕は漫画の方は読了していて、特に無限城編からは毎週手に汗握りながら読んでいたし、決着回ラストの次号完結!の文字には寂しくなったし、最終話を読んで「なぁにこれぇ?」となったりもした。
ただアニメ版は1期をちょろっと観た程度で、あとは「いつか観ないとな〜」と思いながら放置。そもそも僕自身が、鬼滅に限らずアニメ自体をそこまで進んで観ないタチで、キッカケが無いとどーにも色々積んでしまいがちである。
そこで無限城編の劇場版だ。個人的に好きだった善逸vs獪岳の戦闘が超クオリティのアニメで観られる!ということで、もはやコレを観ずに何を観るというのか。
ということで、重い腰を上げてTVアニメ+無限城編第一章まで観てきたので感想を雑に書いていく。どうぞ気軽にお付き合いください。ネタバレはあります。
アニメ『鬼滅の刃』柱稽古編までの感想(作画・戦闘・演出について)
ストーリーの感想は今更語るまでもないので割愛する。そんでもってアニメ版は、全編通してとにかく作画が限界突破していた。それもTVアニメなのに、だ。
特に戦闘シーンは抜けて出来が良く、速い+見やすいという矛盾したポイント2つをクリアし、なおかつキャクター毎の太刀筋の違いも見事に描き分けられており、それでいて頭を使わず観られるように緩急をつけて描かれているのが素晴らしい。
僕は漫画を読んで「この作品の戦闘はほぼオマケ要素なのかな」という感想を抱いたが、アニメ版は真逆であり、むしろ戦闘こそが本命。完全にドラゴンボールを観ている感覚だった。流石に『テイルズオブアライズ』のOP作画を犠牲にしただけはある。
個人的には善逸の戦闘が映えに映えまくっていたと感じていて、まさか霹靂一閃がこんなにカッコイイ技だとは思ってもみなかった。「神速の居合抜刀」という性質上、どうやったってアニメの方が映えるのはそうなんだけど、やっぱり"速い"戦闘にはロマンが詰まってる。
もちろん他呼吸の技もそれぞれ素晴らしい作画であり、漫画ではサラッと描かれていただけに、アニメでのド迫力な演出には度肝を抜かれた。
一応、「炎雷風水といった技のエフェクトはあくまでイメージだけで攻撃判定は無い」という設定なのだけど、どう見ても攻撃判定あるよねコレ。まあそんな細けェこたァどーでもいいんだヨ。
あと印象に残った点としては、シンプルに声優陣が豪華だなと。
どのキャラの声もイメージとピッタリ重なっており、それによってキャラ毎の解像度も上がり、原作漫画がどーにも表情の変化がイマイチ分かりにくい絵だったのもあり、シーン毎のキャラの心情がより分かりやすくなっている。
特に善逸に関しては、声が付いたことによる普段のウザさも倍増しており、「普段だらしねェけど戦闘では頼りになるヤツ」というキャラが、アニメだとよりギャップが強調されていたなと。
時透も、(描写が少し盛られていたのもあるが)声色で心情が理解しやすくなり、以前はてっきり無神経キャラだと思っていたので全然違くて笑ってしまった。普通に良い奴じゃんねコイツ。
上記より、原作漫画を読んでいる時は「まあ、序盤だな」という可もなく不可もなくな感想しか抱かなかったアニメ1期までの内容が、ちゃんと見所ある風に作られていて驚いた。
まあ話自体が変わっているワケではないので、冷静に思い返すと見応えあったのは戦闘くらいなんだけど、その戦闘だけを見ても、コマとコマの間の時間が丁寧に作られていたり、緩急を上手く使いながら時間内にキッチリ違和感なく収められていたりと、地味なところもハイクオリティ。
原作にかなり忠実にアニメ化されているのも印象的で、謎のアニオリ要素等が無く、サクサク話が進むのは素直に好印象だった。平成原人としては謎のアニオリ回もそれはそれでネタとして嫌いではないんだけども、昨今の風潮的に今後も無さそうな気がする。ダークマイトみたいなやつ出ないかな…
原作に忠実なあまり、キャラ描写が(漫画表現をそのままやるので)少し記号的に寄りすぎている気もするが、案外ジャンプ漫画のアニメ化ってこんなモンっちゃこんなモンな気もするし、個人的には全然許容範囲内ではある。
また2期以降は、より"エモさ・感動"に寄せた演出が印象的。
上述の通り、僕も戦闘メインの作品というよりは、どちらかと言うと感動系の作品だと思っていたので、そこに関して解釈一致だったのは幸いだった。
ただソッチに寄せるあまり、戦闘以外のパートが若干間延びしている印象も受けていて、せっかくハイクオリティかつスピーディな戦闘で高まっているのだから、正直なところ重要な要素だけ掬ってサクッとやって欲しかったのが本音ではある。
ただ子供(とその親)に観せることを大なり小なり意識した結果こうなったのかなとも。まあ、いい歳して少年漫画を読み続けている一般男性の満足度より、子供100人中100人に伝わる描写の方が大事だと思う。それはそう。
総じて、何故子供たちにウケたのかは結局分か、ず終いだが、漫画のアニメ化としてはBLEACH千年血戦篇を凌ぐかもしれない超ハイレベルな作品だったなと。
コマの絵がただ動くだけのアニメ化ではなく、そのコマとコマの間の時間までキッチリ考えてある構成と、納得感のある声優陣、そして他を寄せ付けない圧倒的な戦闘。かなりリッチなアニメだったと思う。流石に大満足である。
劇場版『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』の感想【ネタバレあり】
そんなこんなで、満を持して無限城編(劇場版『猗窩座再来』)を観てきました。
TVアニメ同様、やはり作画は圧巻の一言。1枚絵の細部に至るまで違和感は一切無く、戦闘シーンはもはや筆舌に尽くし難い。映画館の音響と合わせ、終始圧倒されっぱなしだった。
(作画とは少し違うけど)無限城のCGがとんでもないコトになっており、漫画では「無限に続く城なんだふ〜ん」くらいの絵だったが、ufoのガチCGによって映像化された無限城は、もう何がなんだか分からないレベルでの作り込みだった。このために柱稽古編の序盤が少し作画悪かったんじゃないかと邪推してしまう。
構成としては、童磨vsしのぶ、獪岳vs善逸、猗窩座vs炭治郎&義勇の3本立て。時間は(体感ですが)前半2戦は50分くらいで、メインの猗窩座戦が1時間半くらい。
内容は、概ね原作の流れそのままだったと思う。童磨戦はしのぶが吸収されて一旦STOP、獪岳戦はしっかり首を斬って終了、猗窩座戦もキッチリ最後までやって完。区切りは良い。
特別内容が盛られている部分も殆ど無く、まあせいぜい序盤の柱たちの戦闘シーンくらいだろうか。「上弦の零」とか出てこなくて良かった…。いつもの「原作の良さをそのまま増幅して出力する」アプローチだったように思う。
それぞれ語っていく。
童磨vsしのぶ戦は、まあ想定の範疇と書いてしまうと聞こえは悪いが、そもそも敗北するのを知っていて、なのに演出はやたら壮大だったので、観ていて少し冷めてしまったのが本音ではある。作画も演技も見事だったのは間違いない。
ココはあくまで前座なので、次作に期待。
獪岳vs善逸戦は、僕的に1番期待していたバトルで、結果として期待通りどころか期待を越えた映像を魅せてくれた。感謝感激雨あられ for ufo。
善逸の技はいつも通りキレッキレで、新技の"火雷神"はド派手もド派手な過剰演出と、盛り上げて盛り上げてからの一瞬で〆、という流れが全く僕の期待通りで映画館で1人ウンウン頷いていた。やっぱりこの技イイよなぁ…。
獪岳に関しては、漫画を読んだ時点では正直カス以外の感想が何も思い浮かばなかったキャラクターだったが、映像+声付きで見ると案外同情の余地はあるように思えたというか、"可哀想なヤツ"という属性を目立たせるような演出だった。「善逸は師匠のお気に入り」という思い込みが漫画版より強調されていたように思う。
決着後に10秒以上説教する愈史郎にちょっと笑いつつ、総じて丁度いいテンポ感の戦闘だったなと。大満足。
猗窩座vs炭治郎&義勇戦は、本作のメインディッシュ。
何度も述べた通り、声が付くことによってシーン毎の受け取り方が若干変わってくる為、既知の場面でも感じ方が変わる事がアニメだと偶にある。
今回のソレは「お前はもう黙れ 煉獄さんのことを喋るな」のシーン。僕のイメージではもっとガチギレして静かに怒ってるシーンだと解釈していたが(キレすぎて逆に冷静、みたいな)、アニメだとかなり動揺した声色で、もっと直情的に怒っている感じだった。
他にも、1時間近く猗窩座とタイマン張ってた冨岡さんや、「狛治…」「アカザ!」「狛治さん!」のスピード感に笑ってしまったりもしたが、総じて良い内容のアニメ化だったと思う。
欲を言うともーちょい猗窩座の過去編や独白をサクッとやって欲しかった感もあるが、原作通りにやるならこの形がベストなので、あくまで好みの問題なのかなと。なんやかんや僕もしっかり感動してたし。
というように、それぞれの話を抜き出して単体で観るなら凄く良いアニメ化だったと思う。いつも通り戦闘はキレッキレだし、映画館の設備を活かした音響も最高だった。柱たちの戦闘もオマケ程度ではあるが少し追加されていたりと、要素要素を見ていくと凄く良い映画である。
ただ、あまりにも話がブツ切り過ぎて没入感に若干欠けているとも僕は思った。このあたりは週刊漫画と映画の相性の悪さが出ていて、短い話の中で毎週山場を作る週刊漫画と、長い尺の中でしっかりと"溜め"を作ってラストに"爆発"させる映画との違いが、悪い意味で浮いてしまっているなと。
要は、TVアニメ数話分をまとめて放送してるのと何が違うんだろう?という感じ。しのぶ・カナエの過去編!→童磨の過去編!→善逸・獪岳の過去編!→猗窩座の過去編!と、マジで過去編祭りだったので、僕の場合は「感情移入疲れ」のような現象が起きてしまった。
ただ、ひたすら原作に忠実な鬼滅アニメだからこそ、映画でもこの形になったというのは理解できる話だし、これまた好みの問題なのだとも思う。めんどくさいオタクはこれだから…
ラストは無惨様の謎に気合いが入った独白で終了。「繭の中で身動きが取れないのにやたら騒ぐ無惨様」の見た目が面白すぎて、正直ココも笑ってしまったポイントなのだけど、周りは皆真剣に観ていた。ファン的には普通の事なのだろう。
それにしても鬼滅アニメにはかなり楽しませてもらっています。今後の劇場版にも期待大。
以上、『鬼滅』漬けなココ最近の感想でした。読んで頂きありがとうございました。
