久々に映画『仮面ライダーW 運命のガイアメモリ』を観返してきました。
上映時間は約1時間と手軽ながら、やはり物語はしっかりまとまっており、盛り上がるシーンでは熱さ全開、限定ライダーのカッコよさ等、見どころ満載で、『仮面ライダーW』の魅力がギュッと詰まった1本でした。
今回の視聴で改めて感じたのは、主人公の片割れフィリップの成長物語と、翔太朗との絶妙なバランスの魅力。大人の視点で観ると、以前とは少し違った発見もありました。
以下より「やっぱこの映画おもしれェな…」という内容の感想になります。どうぞ気軽にお付き合いください。
かんそう
本編・映画・『風都探偵』・その他客演を摂取した後で改めて観かえすと、この段階での(お話そのものの)主人公は明確にフィリップだなと。
無機質な合理主義者が徐々に人間性を獲得していく成長物語は、流石に1年かけて育てているだけあり納得性・見応え共に高水準。
本来は脇役であるはずの翔太朗はメインの変身者&ニチアサヒーローらしい性格という「仮面ライダー」部分を補っていて、それがそのままフィリップに欠けている部分を補うことにも繋がっていく。
そしてこの右と左の究極のバランスこそ、僕が『W』で最も好きなポイントである。
今回の映画は、そんな『W』の良さをギュッと圧縮したような内容だった。話はフィリップの葛藤から始まり、翔太朗のヒーローらしい活躍で状況が好転し、ラストは2人でバチっ!と決める。他にも、照井は相変わらず人間やめてる名シーン製造機だし、亜樹子は清涼剤として良いタイミングで機能していた。
まあ本編で見たヤツと言ってしまえばそれまでだし、話が前へ進んだワケじゃないんだけども、「フィリップの成長物語」の1ピースとしては十分に満足できる内容だと思う。
…という前置きを踏まえた上で、今回観かえしてみてまず最初に思ったのは、そういえばこの時点だと翔太朗の過去・経歴って全く不明だったなと。
不自然なほどにバックボーンが語られない(知らなくても問題なく楽しめるとはいえ)のが妙に面白く、昔はあれこれ考えていたのを思い出した。ここまで深堀りされない主人公も珍しい。
中盤でフィリップが「僕の存在意義を知っているのは僕の親だけだ~」的なことを言って翔太朗が目を見開くシーンがあるが、よくよく考えるとこのキャラの親子関係からして謎なので、このとき翔太朗が何を思ったのかハッキリと説明できる人って実はこの時点で居なかったんだよな…と。地味なシーンながら当時の大友の気持ちになった気分。
結果的に上手く説得できず仲違いに繋がってしまい、そこからなんとなく親が居なかったのかな?的な予想はつくものの、単にかけるべき言葉を間違えただけとも取れるし、結局は謎のまんまっていう。
T2ジョーカーメモリを見つけるくだりも、「天井に穴が開くほどの音なら事務所の表に誰か居ればソイツが気付くだろう」という考えに基づくと、つまりは翔太朗や亜樹子が居ない時間帯、つまりは外回り中か夜かのどちらかに降ってきたことになる。これが夜だと仮定すると、翔太朗は借家なりアパートなり自室を持っていることになり、あれ?そんな描写ってあったっけ?ってなる。
なんなら作中で何度も描写される「翔太朗は風都を愛している」という気質も、深い理由は全く語られてなかったりする。うーん、どこまでも謎多き男ですよコイツは。
その背景は『風都探偵』にて明らかになり、大体予想通りというか、常人ならざるバックボーンを持っていて逆に安心した記憶がある。生まれながらの仮面ライダーとかでもない限り、普通に生きてあのメンタリティには中々ならないと思う。その人間臭さがイイんですけども。
他にもロストドライバーの入手描写が思ったより力業であれ!?こんなんだったっけ??ってなったし、でも仮面ライダージョーカーはいつ見てもかっこいいし、フィリップの啖呵・長台詞で空気になるかと思いきや最後にしっかり決め台詞を持ってくる存在感などなど、実質フィリップが主人公の映画だったが、左の方にも見どころ満載だった。
最近知ったが、どうやら女性人気というよりは男性人気が非常に高いキャラらしく、今回観返してみて完全に納得。もちろん僕も大好きなキャラクターで、この作品の面白さには間違いなくコイツが機能していると思う。
ハーフボイルド×イケメンの親和性は高い。恐らく普通の一般フェイスがこのキャラをやると間違いなく顔面ぶん殴られるのがオチであり、多分そういう層はちゃんとハードボイルドを目指した方が良いっぽい。しかしそんなフェイスの翔太朗はハードボイルドに憧れており、まあ隣の芝生はなんとやら案件である。僕としては次の生は桐山漣君のお顔で生まれてくることを切に願うばかり。
放送当時も良いキャラだな~とか思いながら観てましたが、オトナになって脚本構成云々を理解できるようになり、その俯瞰した視点で改めて観返してもやっぱり良いキャラだな~ってなる。男は皆こういうキャラが好きになるようにDNAを設計されてるってワケ。神に感謝を。アーメン。
観返した視点での話でいくと、細かい部分の理屈についての説明の足りなさはどうしても気になった。上述したロストドライバーの入手経緯もそうだが、T2サイクロンメモリをマリアさんが所持していた理由や、ゴールドエクストリーム化における理屈なんかは大きく気になったポイント。
しかし、これらが気になるから楽しめなかったと言いたいワケではなく、むしろそれ以外の完成度を以てそれらの細かな粗を力業で塗り潰す構成を面白いと感じた。
実際、初見時はこれらについて特に何とも思わず、もう「熱かった!」「面白かった!」で僕の脳内思考領域は完全に埋め尽くされていた。
ロストドライバーはいつの間にか事務所に置いてあったけど仮面ライダージョーカーのカッコよさには何ら関係のない事だし、T2サイクロンメモリを何故かマリアさんが所持していたけどそのおかげでフィリップ中心に話がグイグイ進んでいったし、ゴールドエクストリームに変身できた理屈はいまいちフワッとしてるけど劇場限定フォームが見られたし、なにより変身経緯と変身タイミングが激熱だったのでそんなことはどうでもいいし。
細かい理屈を凌駕して"納得"させてくれる構成はやはりプロの仕事だなと。『W』はかなりカチッとした作品な印象だけど、時にはこういった「仮面ライダーらしい」面白さも提供してくれる。そこが未だに大人気である所以でしょう。素晴らしい!
総じて、僕は何が言いたいのか。要はめちゃめちゃ面白かった!ってことです。細けぇこたぁいいんだヨ。
わーわー騒ぎましたが僕からは以上です。読んで頂きありがとうございました。
