『CODE VEIN2(コードヴェイン2)』クリア後感想です。
先に結論を書くと、本作はストーリーとキャラには引っ張られる一方で、戦闘バランスにはかなり粗さがある作品でした。
特に印象に残ったのは、英雄たちと関係を築き、その過程が救済になったうえで、最後はその相手を討つことになる物語構造です。ここが本当に重く、キャラとストーリー重視で遊ぶならかなり刺さると思います。
※本記事はネタバレありのクリア後感想です
- はじめに
- キャラ感想|サブクエと同行会話で愛着が湧く
- ストーリー感想|死は救済として描かれる
- エンディング感想|各EDのネタバレ感想
- 戦闘評価|敵の挙動とバランスは微妙寄り
- 総括|キャラとストーリー重視なら神ゲー

はじめに
クリア後の率直な感想として、本作は、戦闘面には粗さが残るものの、英雄たちと関係を築かせたうえで、その相手を討たせる構造が刺さる作品だった。
ただ可哀そうなキャラが死ぬ、という話ではない。
主人公と関わったことで彼らの過去や選択が少しずつ救済され、そのうえで最後に戦うことになるからこそ、こちらの情緒までゴリゴリ削られる。
戦闘やギミックには不満もあったが、それでも最後まで一気に遊ばされたのは、間違いなくこの物語構造の引力があったからだと思う。
やはりシフトが作るキャラクターは(色んな意味で)魅力的であり、それらが織り成す王道ストーリーと、反比例するかのようなディストピアな世界観の化学反応は、ゲーム自体の粗さを補って余りあるパワーがある。
前作『CODE VEIN(コードヴェイン)』の感想はこちら
キャラ感想|サブクエと同行会話で愛着が湧く
本作のキャラ描写で印象に残ったのは、単に好感度を上げることではなく、後の別れが効くところまで見越して愛着を積ませてくる点。
キャラとの距離を詰める工程が丁寧で、後半の別れに向けた下積みとしてよくできていると思う。
サブクエで英雄との距離が縮まる
魅力的なキャラクターが多数存在し、そのキャラをがっつり深堀りしてくれるサブクエや、ゲームの進行具合によって変化する会話パターンなど、キャラゲーに求めるモノは網羅されている。
キャラの好感度やサブクエ進行でプレイヤーが強化されるシステムも完備されており、キャラの解像度が自然と高まっていく作りになっているのも好印象。

特に、最初の英雄3人とその関係者については、ストーリー本編では見えないコミカルな一面がサブクエでかなり丁寧に描かれている。
内容は概ね「普段は英雄らしい人物だが、主人公には友人として心を許している」的なモノ。
カレー作りや温泉巡り、黒歴史暴露など軽めのものも多いのだが、重要なのはそこではなく、「英雄」としてではなく「ひとりの人間」として好きになる時間がちゃんと用意されていること。
だからこそ、その関係を築いた相手を討つ展開に情緒を破壊される。ただ悲劇を見せるのではなく、先に愛着を積ませてくるのが本作の面白いところである。
僕的には、英雄ホリーの黒歴史暴露が強烈に印象に残っている。というか元神喰勢は誰でも「こ、このBGMは……!」ってなると思う。

いずれのエピソードも、ラストはそのキャラの今後を示唆する内容になっており、直接は描写されていないものの、100年後にてそれが実現されていることが、NPCとの会話や建造物等で推測できるようになっている。
それだけ関係値を築いたキャラ達を、世界の敵として討伐しなければならないので情緒がイカれそうになるが、このゲームのメーカーはシフト。つまりはそういうことである。

NPCとの探索体験
また本作は、前作と同じくバディ制(NPCが1人ついてきてくれる)で探索・ボス戦を行う。
ソウルライクは基本的に1人で黙々と進めるジャンルだが、NPCが1人いるだけで絵面がかなり華やかになるし、暇な道中が少しだけ楽しくなる。
加えてその中で、敵を倒すたび、ショートカットを見つけるたび、果てはただアイテムを拾っただけで、「流石だな」「やはりお前が居ないとな」的な具合に、NPCがめちゃめちゃ褒めてくれるのが嬉しい。
どこに敵がいるか分からないような心細い探索において、意外とこれがオアシスになったりする。というかなってた。これは他ソウルライクと比べて明確な強みだと思う。
そして、単に賑やかというだけでなく、「仲間と一緒に過去を積み上げている」感覚があるからこそ、後半の別れや討伐で情緒が破壊される。

そもそも本家大元のソウルシリーズからして、NPCなんぞ所詮オマケやろがい!なゲームなので、大体のソウルライクはこれに倣った作りになっている印象。
その点、本作は見事にそれに逆行しているワケだ。これは僕の好みにピッタリ合致しており、つい何時間もぶっ通しでプレイしてしまう理由だと思う。


そして毎度思うことだが、シフトというメーカーは何故こうも性癖に刺さるキャラを生み出せるのか。
いや、もはや性癖そのものを生み出しているといっても過言ではない。
胸が大きいえっちな高慢お姉さんは当然として、妙にえっちなメカ足を備えたロリっ娘まで完備している。
こういうキャラたちと戯れるのも本作の楽しみのうちのひとつ。
こうしてキャラ側で愛着を積ませたうえで、その別れを物語の中心に置いてくるのが、本作のシナリオで最も印象に残った部分だった。
推しキャラはライル
そんな多種多様な性癖がひしめき合う中でも、僕の一番の推しはライルとさせていただきたい。
ジョゼ→ライル→ホリーの順に進めて、
・最初のジョゼが超良いキャラだった
・ストーリーも良い内容だった
・情緒がイカれてしまう終わり方だった(そもそも内容的に続きがあるのは明らか)
ってので、相当冷めた気持ちでライル編が始まったのはよく覚えている。
しかし進めていくうちに、見た目に反して実はめちゃめちゃ仲間思いなヤツだったり、戦うのは"恩返しのため"という理由だったりと、徐々に僕好みな熱いキャラということが判明して。

最終的には「俺"たち"なら何でもできるさ」とデレてくれたり、別れの時間が近づいてくると少しションボリした様子を見せてくれたりと、ライル編が終わる頃にはすっかりお気に入りキャラになってしまった。親友キャラとして最高なんよ。
そんなお気に入りキャラを世界の敵として討伐しなければならないため、これまた情緒が破壊される。

ストーリー感想|死は救済として描かれる
本作の物語で印象に残ったのは、英雄を救う話でありながら、その救済の果てに主人公自身の手で討たせるところ。
キャラクター同様、ストーリーも本作のストロングポイントである。
英雄を救って、最後に討つ構造
本作のメインコンテンツとなる中盤までは、"救世のために英雄を殺す"・"殺すために英雄と仲を深める"という、一見すると相反している目的のもと、現在と過去を行き来しつつ、世界を救うために奔走するシナリオ。

蓋を開けてみると、想像よりずっと陽性なシナリオだった。
かつて失意の果てに人柱となった英雄が、主人公と関わった結果、未来のために人柱となる"選択をする"ようになる、という内容。
本作の過去改変は、運命をねじ曲げるというより、英雄の感情と選択を救済するためのものとして描かれている。
最終的に死ぬという結果自体は変わらなくても、その死がただの消費ではなく、本人が納得して辿り着いた結末として成立する。
"英雄と仲を深める"="過去の救済"の図式であり、最終的に殺すことに変わりはないのだけど、英雄の暗い過去を改変し、より納得できるカタチで未来を選択させ、英雄の感情・気持ちごと"救済"する。
そして、最終的に英雄人生の集大成として主人公と戦い、満足の死を迎える。
主にこちら側(プレイヤー)の情緒はゴリゴリに破壊されるワケだが、シナリオの大筋としては綺麗だったと思う。

英雄との関係性
重要なのは結果ではなく過程!と言わんばかりに、どの英雄も「未来のために何を積み上げるか」を大きく描いていたのも印象的だった。
積み上げの結果、100年後の現代はより良いモノとなり、最終的に英雄自身は死んで無になるのだけど、主人公との両名でひた走った過去の"過程"は無駄じゃない、という熱いモノとなっている。
本作が上手いのは、主人公が多弁ではないのに、ちゃんと物語の中心に居続けるところだと思う。
世界を直接変える英雄というより、誰かの選択を変える存在として機能していた。
だからこそ、最後の討伐も単なるボス戦では終わらない。「自分が関わった相手の人生の結末に立ち会う」重さがちゃんと出ていた。

総じてよくできていると思った。
リーゼの生存→やっぱり死亡→やっぱりやっぱり生存の流れや、ゼノンの悪い意味で万能キャラすぎる感など、気になる点はなくもないが、それらをどーでもいいと感じるくらいには面白かった。
そして後半に差し掛かると、この「救済」と「別れ」の話が、今度はエンディングごとに別の形で返ってくる。
以下、それぞれのEDで何がどう刺さったのかを書いていく。

エンディング感想|各EDのネタバレ感想
エンディング1感想|ある英雄の最期
「リンネとは吸血鬼の増加により発生する災害」という事実に対し、恐らく多くのプレイヤーが最初に思いつくであろうアンサーを実行したED。
"世界から吸血鬼が消え、人間の時代が始まる"。どこぞの闇魂3みたいなオチだが、関係を深められるNPCは全て吸血鬼のため、本作においては間違いなくバッドエンド。

このEDでまず見えたのは、本作が単純な勧善懲悪では終わらないということ。
吸血鬼を消せば人間の時代は始まる。
理屈だけ見れば筋は通っているのだが、こちらはその前に吸血鬼側のキャラと関係を築いてしまっているため、どうしてもそれを正解だとは思えない。
本作はこの時点で、「世界にとっての正しさ」と「自分が感情移入した相手を救いたい気持ち」をわざとズラしてくる。この没入感の演出が非常に上手かった。
立ち位置としては、実質的にラヴィニア様とヴァレンティンの底を見せるためのエンドかなと。敵じゃないけど完全な味方でもなく、目的は一緒だけど手段がまるで違う。そんな感じ。
僕は、ゲーム開始時点ではラヴィニア様がガチの黒幕だと思っていたので、その予想がまるっきり外れたカタチ。
なんなら「今のラヴィニア様は分身体で、本体は封印の塔の最上階に居る」くらいまで思っていて、今考えると深読みしすぎで笑ってしまう。

ラストは、万能キャラのゼノンさんが事前に仕込んだ術式により、特異点まで再度タイムトラベルするというオチ。
うわーこれで終わりかよ!と思ったところからの急展開で、こちらのテンションも急上昇。
お次は大事変の真相解明ということで、物語が終わりに向かっているのが分かる。こういうキャラゲーの終盤ってなんとなく寂しい気持ちになるのは僕だけでしょうか。

エンディング2感想|融和の月
このEDは、大事変の真相解明そのものよりも、本作が最後まで自己犠牲の物語として進むことを改めて見せる回だったと思う。
そして、ED3の納得感をさらに高めるための結末だったとも思う。
従って、今回の自己犠牲が単なる悲壮感で終わらず、次のルートへの助走になっているのが面白い。
消化不良で終わらせず、「まだ救えるはずだ」とプレイヤーの温度を繋いでくれる構成になっていた。

ラストはJRPGらしい自己犠牲エンドで、今度こそ本当にゲームクリア……かと思いきや、タイトル画面に「ルゥを救いに行く」という見知らぬ選択肢が。
詐欺EDからの詐欺EDはあまり経験したことがなく、テンションは急上昇。流石に過去に飛んだまま終わるのは消化不良すぎたので、当然といえば当然か。
この回は主人公が多めに喋ってくれたのが良かったですね。実にシフトらしい演出で良き。

エンディング3感想|縁という奇跡
シフトらしい大団円エンド。
これまで紡いできた"縁"が道を作り、犠牲となった主人公を"救済"する。これまでの積み重ねが全て主人公に返ってくる、まさに集大成のような内容。
つまり本作は、英雄たちを救って終わる話ではなく、誰かを救おうとしてきた主人公自身もまた救われる物語だったのだと思う。綺麗な着地だと思う。
これまでのシナリオを振り返りながら、NPCたちの方から紡がれた"縁"を集めていく過程は、若干の手抜き感はご愛嬌として、演出効果としてはバッチリ。

最初からこの解決法に直行することは不可能(リンネ封印はルゥ+人間のニコイチ心臓が必要なため)であり、主人公の行動の結果、このエンドに辿り着くことができた。こういう部分でもしっかりプレイヤーの気持ちを高めてくれるのは嬉しい。
"縁"を中心とした物語のオチとしても、「リンネ封印は、全吸血鬼が寿命を代償としてそれぞれ細かく受け持つ」という世界観設定の落としどころとしても、トゥルーエンドとして納得感がある。とても良かった。

欲を言えば、帰還した後の様子がムービー等で実際に見られれば、更に余韻が凄かったと思う。が、まあそれは求めすぎか。
死にゲーの「死に戻り」部分をシナリオに組み込んだ作品は何気に初体験だった。そういう意味でも、勿論本編の完成度的な意味でも、やはり本作のシナリオは面白かったと思う。大満足である。

戦闘評価|敵の挙動とバランスは微妙寄り
まず最初にハッキリ言ってしまうと、本作の戦闘・マップギミックの完成度は微妙寄りだと思う。
つまらないという程では無いものの、ちょくちょく不快な要素があり純粋に楽しめなかった感じ。

僕的にはどうにも戦闘バランスが、というか敵の挙動が面白くなかった。
おおよそ半分以上の敵は『エルデンリング』の終盤ボスみたいな挙動で、
・攻撃範囲・判定残留の塩梅が雑すぎる
・隙が無さすぎる
・バクステの距離が長すぎる
・バクステ→突進技の連携が多すぎる
と、不快な要素てんこ盛りである。
そしてこれらが、せっかくのストーリーの没入感をゴリゴリに削いでくる。
本作にはブチ壊れ武器・術式(戦技)が多数存在するため、恐らくソレ前提の敵の挙動なのだと思う。
僕はルーンブレードの「ブラッドソード」1本でほとんど攻略していたが、この武器の射撃術式がべらぼうに強く、ハメ同然の勝ち方をしたことが何度もある。
体勢削り値・強靭削り値が謎に高いのも手伝って、ゲージ回収→射撃連打→ゲージ回収→……のループで、ほとんどの敵は瞬殺だったように思う。

本作はどうやら遠距離が強いゲームなのだと思う。
これはマトモに近接で戦う必要がないということでもあり、それはちょっとなんだかなぁ……という感じ。これなら敵のパラメータを多少下げて、駆け引きのカタチになるようなバランスの方が良かった。
遠距離縛ってプレイしても、多分そんなに面白くはならないのが悲しいポイント。
遠距離プレイはサクサク快適ではあったが、やはり完成度という意味では微妙だと思う。
とはいえ一応褒めるポイントもあって、戦闘バランスとは少し違うが、攻撃のヒットストップはかなり塩梅が良かった。
特に吸血攻撃は完全に某神喰のソレであり、画面のエフェクトも相まってとにかく気持ちいい。なんだか懐かしい気持ちになった。

また、ステージギミックの拙さも少し気になるポイント。
全体的には可もなく不可もない出来だが、要所で「ん?」と思ってしまうようなモノもある。
前作もそうだったが、特に「目の前のギミックを作動させるために、すぐ傍にあるレバーを引く」という虚無ギミックには流石にちょっと驚いた。
ストーリー進行のトリガーなのかもしれないが、それにしたってもーちょいやり方がありそうなモンである。


総じて、シンプルに練り上げ不足かなと。ストーリーへ没入して楽しみたいところに、これらが邪魔して集中しきれなかった部分もある。
そもそも、本作はそこに着目すべきゲームではないとも思う。キャラクリ機能やSS撮影など、カジュアルな部分に目を向ければ、良いトコロは沢山ある。
無論、こうした不満を上回るだけのキャラとストーリーの引力がある作品でもある。アクション面には目を瞑ろう。うん。

総括|キャラとストーリー重視なら神ゲー
大満足でした
気になる点は多くあれど、キャラクターとストーリーがとにかく好みで、一刻も早く進めたくてのめり込むようにプレイしておりました。
"英雄を救って討つ"という物語構造や、英雄たちとの積み重ね、そして最終的に主人公=プレイヤーにそれが返ってくる納得感。没入感の演出が素晴らしかったです。
とにかく、熱中度の高さという意味で大満足な作品でした。4日で35時間遊ぶほどの熱中っぷり。ここまで圧縮プレイしたのはかなり久々な気がします。

前作はストーリーが薄い&アクションも微妙ってので、キャラのビジュアル以外はぶっちゃけ没個性な部分が多かったですが、今回は強みがハッキリしていて安心しました。
なので本作は、相手によってはちゃんと自信持っておススメできそうなゲームに仕上がっていると思います。テイルズみたいなJRPG好きには結構刺さりそう。
本作が好きな方は、過去作の『CODE VEIN』や『GOD EATER』もおすすめです。特に『GOD EATER』は、シフトの原点となる作品なので、気になった人はぜひチェックしてみてください。
わーわー騒ぎましたが僕からは以上です。読んでいただきありがとうございました。