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アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』~2期までの感想|「心の動き」が物語を変える

 

アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』の1期と2期を通して視聴しました。

 

率直な感想として、ループものの要素はエッセンスにとどまり、物語の本質は成長譚だったなと。

だからこそ熱い展開も多く、終始ダレずに視聴することができました。

 

以下より、1期と2期の内容に触れつつ、ネタバレありで感想を書いていきます。

 

 

Re:ゼロから始める異世界生活 1 (MF文庫J)


主人公が良い

事前情報によると「主人公の好き嫌いは分かれる」ということで、覚悟して臨んだアニメだが、想像よりもずっと好印象な主人公だった。

 

特に、あのアクティブな性格には常々驚かされた。

他人のために自分を信じて突っ走っていく様子は、方向を間違うことは数あれど、非常に主人公らしく、観ていてとても気持ちいい。

明らかに怪しい場所やヤバそうな生き物に「なんとなく」で首を突っ込み、物語をガンガン回していく様子も同様である。

 

と、これだけ聞くと完成された主人公のように見えるが、実際は未完成なのが面白いポイント。

というのも、人間的に全く仕上がっていないキャラクター造形であり、まだまだ成長の余地しかない少年、という印象。

「主人公の好き嫌いは分かれる」とのことだが、僕にとってはそもそも好き嫌い以前の問題というか、単純にまだまだ子供だなと。それも17歳とは思えないほどの。

 

そんでもって、足りない人生経験値を急速に回収しつつ、大人への階段を一気に駆け上がり、1人の"漢"として成長する過程を楽しむのが、僕の「リゼロの楽しみ方」だった。

まあ、その17年分の経験値を得るための過程がとんでもなく険しいワケなんだけども、それはこれまでの「怠惰」の代償ということで。

 

Re:ゼロから始める異世界生活2 (MF文庫J)

 

とはいえ、苦手な人も一定数居そうなのは理解できる。

やや露悪的な場面が散見されたし、恐らくそういう部分が「好き嫌いが分かれる」箇所なのだと思う。

2期にて明かされる主人公の過去を把握すれば、そういった場面はむしろ納得感すらあるが、その時点では「急に喚き出すガキ」にしか見えない人も居ると思う。

これについては、ぶっちゃけ見せる順番が悪い。小説だと分かりやすいのだろうか。

 

総じて、アニメキャラとは思えない人間臭さが好印象だった。

ちなみに、他キャラはフィクションらしさ満載のキャラ造形なだけに、主人公の性質がやたら浮いているのだけど、これは「異世界転生者=転生先では異物」という解釈からくるものなのだろうか。

そして、ここまでひと通りの成長を見せてくれた主人公だが、噂を聞く限りではまだまだ試練が続くらしい。それらを乗り越えて、独り立ちする姿が今から楽しみである。

 

 

シナリオが思ったよりハートフル(ボッコ)

こちらも、想像よりずっとハートフルなストーリーだった。

 

1話の段階では「カッチリしたループものになるのかな」という予想だったが、実際はそうでもなく、あまり設定を気にしすぎない方が楽しめるアニメだった。

「死に戻り」の設定は、主に物語のヒキとして使われたり、主人公(と視聴者)が人物や状況を理解するために使われており、それ自体が本質ではなかった印象。

 

ループを経て得た知識や精神的成長によって、主人公の各キャラへの接し方が変わり、キャラクターの心情も変化していく。

身体を動かす原動力は心なので、心が動けば身体も動き、行動が変われば物語も変わる。

その変化は主人公をきっかけに始まり、やがて各キャラの変化が絡み合い、大きな「うねり」となって問題を解決へ導いていく。ここが本当に熱く、一番の見どころだと思う。

 

故に、主人公の行動は、ループ前後で大きな変化が見られない回もあり、「最初のループの行動が最も正解に近い」という展開も多かった。

知識を得るほど器用に立ち回れるようになるというより、一周目で見せた打算のない行動を、失敗と成長を経てもう一度選び直す、という塩梅。

理屈よりも感情。どこまで行っても「"人との繋がり"が物語を変える」が徹底されており、僕的にとても好みのシナリオ。要するにギャルゲー

 

Re:ゼロから始める異世界生活3 (MF文庫J)

 

1期では、周囲が比較的「大人」な主要人物ばかりだったため、主人公の成長=問題解決の図式が明快で、成長譚として非常に観やすい。

 

特に白鯨戦。ここのカタルシスは筆舌に尽くしがたい。

それまで雑魚死が連続しており、こりゃエンドレスエイトくらい長くなるんじゃ……と思っていたところでヒロインから勇気を貰い立ち直る、というベッタベタな展開。

しかし王道は熱くなれるからこそ王道なのである。討伐隊結成時には思わず「うおおおおお!!!」と身を乗り出しながら応援していた。

他にも、視聴前は「ヒロインが2人」だと勘違いしていた理由が判明したり、おじキャラの大活躍だったりと、色々と僕得な展開が多い回でもあった。

 

余談だが、所謂「ifルート」も気になって読んでみた。

どのルートもイイ感じに救いが無くて、正史より好みなルートもある。『 ゼロカラカサネルイセカイセイカツ』が個人的に好み。強さがそのまま弱さに読み替えられる展開、良き。

ただ「正史があるからこそ面白い」という側面もあり、本編では「心の動き」をメインに話を回していくのに対し、こちらは「ループもの」の設定が存分に活かされているお話。コレを面白いと感じる程、本筋を楽しんでいるということにもなる。

 

Re:ゼロから始める異世界生活4 (MF文庫J)

 

2期では、やや未熟なキャラがメインに据えられることで、これまで通りの「自分が変われば周りも変わる」メソッドが活かせない展開。

恋愛感情も絡むことで話はより複雑になり、単純な善悪では片付けられない感情がぶつかり合う。そこで、(本質的な)対人能力が低い主人公は大苦戦。

 

陰謀により、ループを用いても「自分1人では何かを捨てざるを得ない」状況に立たされる。

そんな閉鎖感の強いシナリオの中で、スバルがようやく損得抜きの「友達」を得る。その青臭さが印象的だった。

また「未熟なキャラ」がメインということで、1期以上にキャラが泣いていたのも印象的。最初から最後までほぼ毎話、誰かしらが泣いていたと思う。なんなら僕も泣いてる

結果として、主人公含めた各キャラの成長がカギとなって事件は収束する。やはりどこまでも心の動きを重視したストーリー構成だったと思う。

 

2期の特筆すべき点としては、「ループもの」らしい見応えがあった部分。

1期ではおおかた予想通りにストーリーが進んだのに対して、2期では割と最後の方まで着地点が読めなかった

全員救済は諦める(=誰かを犠牲にする)のかな、と思っていたので、ぶっちゃけ力技だったとは言え、万事解決したのは流石に驚き。個人的には2期の塩梅が好み

 

Re:ゼロから始める異世界生活5 (MF文庫J)

 

総じて、設定の複雑さから受ける印象に反して、取っ付きやすいストーリーだった。

設定コネコネ系のアニメも面白いが、うるせェ!!!知らねェ!!!展開の熱さで殴ってくるアニメはやはり中毒性がある。

 

2期で味方陣営の話は一区切りした感がある。3期からようやく話が動き出しそうなので、これまでの伏線が活かされたシナリオを期待したい。

 

 

各キャラの感想

キャラ毎に思ったことは色々あるものの、本文に上手くまとめきれなかったので、特に気になったキャラをピックアップして個別にダラダラ書いていきます。

 

  • スバル

お前はこのまま頑張ってくれ。

 

  • エミリア

ヒロイン力が薄い正ヒロイン。

某禁書の某目録さんよりは遥かに存在感があるのだけど、ヒロインらしい役割のほとんどをレムが担っているせいで、どうにも「居るために居る」感が強い。

この違和感・異物感は作者の意図通りなのだろうか。はたまた先の展開でヒロインらしくなるのか。

 

  • レム

お前がヒロインだ(断言)

物語の要所で良い仕事をし過ぎている。というかスバルにとっては恩人の中の恩人だと思う。これでエミリアを選ぶのは割と正気じゃないとも思う

 

  • ラム

作中通して1番行動が読めなかった人。

特に、2期終盤の問答は「???」しか浮かばなかったが、これは作劇の都合上なのか、それとも小説の独白ではハッキリしていることだったのか。

よく分かんない人だけど可愛いから許す。見た目だけならレムより好み。

 

  • ロズワール

スバルが曇る大体の原因

こんな怪しいヤツを初対面でアダ名呼びするスバルもスバルだが、コイツもコイツで大概である。恋愛感情が拗れると人はバケモンになる、とはまさにコイツのこと。

今後も誓約の抜け道とか探してなんか裏切りそう。手綱をキチンと握っておくべきなのは間違いない。

 

  • ベアトリス

博士キャラ兼便利キャラかと思ったら、案外シナリオでも目立っているサブヒロイン。

現状、良くも悪くも「400年」という単語が足を引っ張っているというか、その年月の割にめちゃくちゃ人間的な性格してるねアナタ?!ってなる。でも可愛いからヨシ。

 

  • ペテルギウス

思ったより弱かった人。2期にて狂った原因の一端が明かされ、人間味を感じられるように。

そもそもイケボで狂気やるってのが特徴的なキャラなのに、性格も声もイケメンってそれただのイケメンなのよ。つまり神キャラってこと。

 

  • ガーフィール

かなり好感度高いキャラ。こいつだけ少年漫画みたいな性格してる。

戦闘面はもちろんのこと、精神面でも一行の癒しになってくれそう。

 

  • プリシラ様

現状の最推しキャラ。女版両面宿儺。天上天下唯我独尊。見た目よし・声よし・性格よし。

他の候補者もそうだが2期では全く出番がなかった為、今後に期待。すまん、僕を家臣にしてくれないか?

 

 

終わりに

作中では何度も凄惨な目に遭うものの、話が停滞するタイプのストレスは意外と少なく、終始楽しんで観ることができました。

成長譚として観やすく、ループものらしい面白さも備えていて、人気の理由がようやく分かったカタチ。

 

ただ、この異世界は何なのか・何故スバルが選ばれたのか・権能とはそもそも何なのか・その他諸々の謎がほぼ解明されないまま話が進んでいて、よくこれで人気出たな……というのも正直な感想。

謎を配置するだけ配置して、あとは展開の熱さで乗り切る塩梅で、よく考えると結構変な構成してるよなと。

 

とりあえずこのまま3期まで観てしまいたいと思います。ようやく話が前に進むので楽しみ。